日本の眼
アメリカンフットボールに情熱を傾ける日大生である若者をロボットのようにマインドコントロールで遠隔操作したとしか想えない相手チームのクォーターバックへの傷害問題は、昔ながらの絶対服従の悪い意味での”ど根性”風「体育会系」論なのかフェア精神を基本に科学的に近代化され楽しむ「スポーツ」論なのかの各論を超え、民間企業と異なる大学運営の不透明性と対応の遅さ悪さの日本大学に対する本質論と総論に批判が充満する報道で、在籍する日大生に憤りと不安と就職への悪影響を感じさせています。

 

日大の学生である氏名と顔を出して自身の罪と過ちを認めた宮川泰介の謝罪会見をテレビで観て、したことの重大さは取り返しのつかない償いが必要なことですが被害者と親御さんの宮川選手への救済措置を表し示談にする温情がテレビを通じ日本中に拡散したことで「スポーツ」のもつフェアな精神で能力を高めるスポーツ選手としての”心意気”に、近頃の若者の正々堂々とした正義とこれからの日本のあるべき姿を実践する姿に素晴らしさを超え美しささえ感じさせてくれました。双方とも凛々しい対応を魅せています。

 

「芸術学部,芸術学研究科の学生の皆さまへ」

テレビ朝日5月31日9:00からの放送で日大問題に日芸が独自でコメントを出したと取り上げていました。日芸HPの全文を掲載します。(2018.5.25に掲載www.art.nihon-u.ac.jp/index.php)

「本学に関するさまざまな報道を見聞きし,皆さんは心を痛めていることと思います。

このような事態となってしまいましたこと,心よりお詫び申し上げます。

私たち芸術学部の教職員は,皆さんが将来に向けて希望を持ち,誇りを持って社会に飛び立てるよう,皆さんのことを第一に考え,教育に取り組んでまいります。

皆さんが,「日藝に入学して良かった」,「卒業生として胸を張れる」と思えるよう,皆さんの持てる力をすべて安心して学修に向けられる環境を整えることに努めてまいります。

日藝は,学生の皆さんを必ず守ります。

日藝ブランド力を共に高めていきましょう。

日本大学芸術学部長

 日本大学大学院芸術学研究科長

 木村政司」

 

テレビ朝日のコメンテーターの一人は「日芸は日芸でブランドなんですよね」と日芸ブランドが確立されているとしていました。

 

近頃の若者は

芸術とスポーツいずれもエンタテイメントのジャンルに位置づけられる傾向の中、年寄りや古い体質を維持、保身しようとする人々が使う「近頃の若者は」が、若者の至らなさや甘さ未熟性を表現していると想わされる現状があります。これからは氏名と顔を出し背筋を伸ばした姿も凛々しく記者会見をした日大の宮川泰介のように勇氣と自助能力で清々しくハツラツとした立派な若者のことを表現する肯定的で明るい未来の可能性を感じさせてくれる意味性も受け取り方も真逆に変わる「近頃の若者は」になった瞬間を感じさせてくれました。日大の宮川泰介に続き多くの若者が正々堂々と日本を担い良くしていく姿勢を代表する表現の言葉として「近頃の若者は」に置き換わるようになればと感じます。

 

自助能力でコミュニケーション能力アップ

自助能力とは「自分がされて嫌なことは他人にしない」、「自分が大切だから他人を大切にする」、「他人を大切にすれば自分に徳が積まれる」、「徳を積めば道が拓かれる」、結果、自助の精神があればコミュニケーション能力が向上することになるとの理解もできます。宮川泰介と被害者は自助能力を示しました。

世代とは関係なく独りよがりやジコチューになりがちな人のほとんどは自己過信と経験法則の成功事例に頼り過ぎて時代から取り残されていくと想わされます。

 

忠言逆耳(ちゅうげんぎゃくじ)

現状維持と保身で地位や立場を守ろうとする人々は「近頃の若者」に素直に聞く耳をもてず、間違っていると分かっていても正せないようです。超高齢化社会の落とし穴かもしれません。「老いては子に従え」が当てはまる時代にみえてきます。若者に正しいことを言われると、つい経験法則と保身から素直に聴く耳をもてず、若者の想いつきや折角のアドヴァイスも受け入れられないで諭すように自己保身してしまう。忠言逆耳、忠言、耳に逆らえば、年寄りや中間管理職、世代に限らず社会的、国家的な現象で顕在化し反目がさらに人間関係を複雑化させ疑念がつきまとい国家存亡の危機にまで陥り後退してしまいます。

忠言逆耳は古代中国の孔子(こうし)家語に「良薬は口に苦(にが)く病に利あり。忠言は耳に逆らい行いに利あり」、英語では「Good advice is harsh to the ear(忠言は耳に痛い)」というそうです。

 

在籍する日大生は、氣概を示してくれた宮川泰介から世間の荒波に正々堂々と立ち向かう姿を魅せられ、世間の多くの人に称賛された彼が日大生であることを忘れず日大生で良かったと思うべきで自信と誇りで憤りと不安と就職への悪影響を跳ね除けてこそ日大生であり、自助し行動するべきです。

 

特に創作の現場では若者の悩み想わぬ発言、発想がヒントとなり新しい道や商品、サービスに活かされ提供されるようになります。米国のIT産業の多くは若者が起業していることからも理解できるはずです。

日本社会や日本国は近頃の若者である宮川泰介によって、これからの日本が歩むべき道と行動指針が示されたことで自助効果を発揮させ世代交代を含め世界に認められる日本国を、これからにつなげてほしいものです。それを成し遂げる近頃の若者を賛美し期待します。

(注:宮川泰介と呼び捨てに感じるかもしれませんが敬意をこめて氏やさん付けをしませんでした)

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