3部作9エピソードにスピンオフを加え創り続けられる映画シリーズに注目です。1作目の日本公開は1978年、それから40年目の2018年、ソロ(SOLO)が6月29日一般公開されました。洋画人氣を取り戻す原動力のひとつに位置づけられるスター・ウォーズです。
ネタバレ厳禁(ネタバラシ厳禁)
物語の結末まで語り過ぎるのはマナー違反、ネットで映画関連を調べると必ず出てくるネタバレ、ネットのない時代、映画を観た人が誰かに早く話したくてしょうがない衝動をネットは満足させてくれるのでしょうか。読む読まないは読者次第ですが、ネットという電子記録に残す以上知ってる知っていないより投稿する人自身の発意や発見、感動やインスパイア(inspire)した内容にして欲しいものです。
映画『ハン・ソロ(SOLO)』を観た直後、映画『スター・ウォーズ』シリーズの空前の凄さを再認識。
スター・ウォーズの40年に及ぶシリーズを時系列にしました。(金額は日本国内の配給収入です)
1978年 7月 1日・スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望 43.8億円
1980年 6月28日・スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲 32.0億円
1983年 7月 2日・スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの復讐 37.2億円
1999年 7月10日・スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス 78.0億円
2002年 7月13日・スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃 93.5億円
2005年 7月 9日・スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐 91.7億円
2015年12月18日・スター・ウォーズ/フォースの覚醒(エピソード7) 116.3億円
2017年12月15日・スター・ウォーズ/最後のジェダイ(エピソード8) 65.4億円
2019年・未発表 スター・ウォーズ/(エピソード9)
外伝(スピンオフ)映画 (アニメや子供向けのイウォーク二部作等は除く)
2016年12月16日・スター・ウォーズ ローグ・ワン 約46.3億円
2018年 6月29日・スター・ウォーズ ハン・ソロ
エピソード8のスター・ウォーズ/最後のジェダイ、直近の全世界興行収入は日本円にすると約1400億円、 歴代興行収入で10位になったそうです。金額を基準に比較するのは問題という人もいますが創作の活力の大きな要因であることに間違いはありません。〈継続は力なり〉の源泉で、継続・続編への資金です。
国内スクリーン数からみた日本映画産業の栄枯盛衰(えいこせいすい)
日本の映画館(スクリーン数)統計では、1960年に7,457スクリーン、バブルがはじけた1993年には1,734スクリーンに激減しどん底状態から21世紀を境にシネマコンプレックス、いわゆるシネコン・複合映画館の台頭で2017年には3,525スクリーンに倍増、栄枯盛衰を感じさせる映画産業です。地域別スクリーン数では関東圏の東京363、神奈川208、千葉209、埼玉209と合計すれば989で全体の28%が首都圏に集中していることになります。(日本映画製作者連盟(映連)より http://www.eiren.org/toukei/)
1964年東京オリンピックを目前にした1960年代、最も輝いていた日本映画
1962年配給収入1位の4億6020万円の黒澤明監督の『天国と地獄』と6億8067万円の20世紀フォックスの『史上最大の作戦』と、どん底の1993年の1位は22億2千万円の『ゴジラvsモスラ』、洋画では83億円の『ジュラシックパーク』が首位に、両時代を比較すると1960年代の入場料、代表封切館260円、全国平均152円と1993年の入場料、代表封切館1,800円、全国平均1,252円と7倍に、観客数での比較では、『天国と地獄』の4億6020万円÷全国平均152円=3,027,632人に対して『ゴジラvsモスラ』の22億2千万円÷全国平均1,252円=1,773,163人となり入場者数が約4割減です。
字幕がニガテ
ここ数年配給収入でアニメを含む日本映画に人氣が集まり洋画への観客離れ指摘で、洋画離れの要因の一つに字幕スーパーを読むのがニガテがあるようです。字幕との上手な付き合い方は読むのではなく見ることです。文字情報を瞬時に理解できるように要領を良くするにはたくさんの洋画をヴィデオや劇場で観る場数をこなすことで字幕にも慣れ、こなせるようなります。
ディカプリオの声にそっくりなソロ役
原語で見る楽しみの一つに役者の生の声を聴けることです。今回のソロ役はどことなくレオナルド・ディカプリオに顔つきや骨格も似て発する声もディカプリオの肉声に似ていると感じました。初期のスター・ウォーズに女性ファンが少なかった分析に女性ファンを取り込もうとした苦労と改善策を感じ取れます。
チューバッカ
ソロの相棒となる推定年齢190歳のチューバッカとの出会いも題材にした映画『ハン・ソロ(SOLO)』はスピンオフ映画ですが、主役級の男女がチューバッカしているのが目立つ映画でもありました。
ジョージ・ルーカス後のスター・ウォーズ
創造力の根っこである個人の才能の天才的な代表としてクラシック音楽では19世紀の総合芸術家で作曲、歌詞、舞台デザインから劇場設計に至るまでこだわった完璧なリヒャルト・ワグナーを、映画ではその製作意図が明らかに良い人を面白可笑しく描き自作自演・作曲、真似のできないパフォーマンスで観客を笑かしたチャーリー・チャップリン。両者をリスペクトし超える総合芸術家は今後現れないかもと、個人で達成した総合芸術に対しエンドタイトルで理解できるように異才能集団のみんなの力が映画産業を支えているのが分かります。エピソード7からジョージ・ルーカスに代わり世界最大のエンタテイメント企業になった所以です。
1978年7月1日に銀座のテアトル東京でロードショー初日の映画『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』を観終わった時の感動と興奮は脳の中では語り草になりました。初日に観れたこだわりすら感じたものです。永遠に超えられないと想っていた壁をものの見事に超えて魅せてくれたジョージ・ルーカス監督に打ちのめされた瞬間でもありました。
脳の中の想像力の根っこは時代を超越し常に努力に応じた結果を提供し無限大です。人々と創造の楽しさ、ダイナミズム(dynamism)を共有できるのだと思い知らされました。(01Jul2018)