「もう、限界かァ~」と、パッドをおき、瞼を閉じる。
だが、先程まで苦しんだ「アイデア」が頭の中を駆け巡り、なかなか寝付かれないのだ!
そんな時にも案外いいアイデアの「ひらめき」がある。
執念や雑念から解放された時に生まれやすい、と言う条件もあるのだろう。
「やれやれ、これで何とかなりそう・・・」
安心感もあってか眠気が襲う・・・。
先程のアイデア、忘れないようにと反芻(はんすう)しながら・・・。

「あれ、昨夜、確かにいいアイデアを思いついていたはず・・・」
「思い出せない・・・」
「メモ、しとけばよかったァ~」
失敗を繰り返すとさすがに反省、おっくうがらずにメモするようになるものだ!
「メモは記憶に勝る」と言う・・・。

もっともそれらのアイデア、翌朝、見直してみると案外つまらないものも・・・。そのことも数知れず経験している。
ともあれ、デザインのはじめには「質より量」である。
アイデアを網羅することは、思い込みの1点に止まりがちな発想、さらに広く可能性を探ることで、より良い解決案を見出すことが大切だからである。
短絡で硬直した思考領域、その幅を広げることに効果大きいからでもある。
デザインの発想は常に柔軟でなければならない。
予め排除しがちなアイデアにも意外に大きな解決の糸口がある。
テーマのアプローチ、それぞれのメモやスケッチの厚みがアイデアの質を高め独創的発想の糧に、そして財産にもなるものである。
「メモはもう1つの頭脳である」とも言われている・・・。

コンセプト??デザインアプローチのはじめに!
デザインプロセスのはじめに提示され、要求もされるキーワード。
普通に「考え方」や「大まかな内容」程度の意味から「企業経営の戦略」「商品販売のための企画立案」「製品開発のコンセンサスを得る手段」など、やや専門的な解釈まである。
たまたま先程のニュースでは「アレグリア2のコンセプトは『人間賛歌』ということでしょうか・・・」と、アナウンサー・・・。
極めてタイムリーな事例だが、使われ方によっては内容や意味も微妙に異なるもの・・・。
しかし、本来は「概念」「観念」「発想」等と解釈され「全体を貫く統一的な視点や考え方」を指すもの・・・。
ある「テーマ」に対して具体的に全体が明確になる前の構想レベルとか範囲を明らかにした仮説立案であると考えると分りやすいのかも知れない。

演習などではキーワードとしてのコンセプトは、やや気負ってしまうのか苦痛、苦手、避けたがっているように見える。
しかし、コンセプトが曖昧で動機が希薄となれば当然、手が動かない、アイデアスケッチがすすまないということになる。
勿論、コンセプトは個人や組織活動を動機付けることにもなるだけに、その質の高さ、立案に優れることはデザイナースキルとして必須のことでもある。
その資質、多くは人の成長過程で育まれたものだが、十分な経験と人より優れ、他人とは異なる視点を持つ努力は続ける必要があろう。

日々の生活の中で、私たちは「何か」を見ている。
しかし、後で思い返してみても余りはっきりしない、という事が多い。
つまり、「意識して観ていない」、「関心が無い」と言うことだろう。
前回のコラムでは「形」を捉える「眼」を、「意識した見方」を述べ、白い紙面にその対象を確り描くことをすすめたものだった。
デザイナーとして、「形」のプロとしてそれらを体に強く刻む必要があったからだ!

その「みる」行為は「眼」で見ることの出来る対象、視覚的なもののことだけではない。「人の生き方」や「欲望」「考え方」に関わる、そんな本質的なことまでも「みる」ことが重要なのだ!
演習等でも、少なくとも「5W1H」を基に、意識して観察する姿勢が必要だろう。
幼時にありのままの対象を見ることからはじまる好奇心!様々な発見!その感動!
それらが人の「感受性」を育み、「世界観」や「人生観」ともなって個性を形づくるもの・・・。
コンセプトのユニークさ、「質」の高さはそこから生まれるからだ!

(11・29/2004 記)
追記:

デザインコンセプトは雑学的好奇心から生まれる・・・
生活の中にひと・もの・こと等を観察する
5W1Hで考える
記録する習慣を持つ(メモ、スケッチ等として)
その他

観察の対象:見えるカタチ・見えないカタチ
:人間・社会環境・市場環境・商品・その他ハ

類似語:構想・意図・企画・目論見・本質・イデア・アイデア・デザイン

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