そういえば、本屋で平積みされていたのを見たような気がする。
それが、まさか「うんこ」のイラストだったとは・・・。
それにしても、なぜ、「うんこ漢字ドリル」なんだろう?
そのドリル、例文の全てにも「うんこ」という言葉やイラストを使ったと言うのだから、当の出版社の社員ですら「嫌がられるのではないか!」と半信半疑だったのだと言う。
しかし、そんな懸念も杞憂に・・・。
発売わずか2ヶ月で260万部という大ヒットだったというのだから・・・。
ただ、困惑しながらの購入者も多かったに違いない。
話題のうんこ漢字ドリル、内容を見ると家族中が大笑いし、子供は喜んで勉強をしていたと言うのだ。うわさを聞けば、子供が勉強するのだからと、買わざるを得ない。
親は子供が「勉強する」と言うのであれば、いささかの躊躇もある「うんこ」であってもだ!

『うんこ漢字ドリル』は、「うんこ」をモチーフにし勉強嫌いや集中力を切らしがちな漢字学習を楽しく、笑いながら覚えようというコンセプトらしい。
1年生から6年生までに習う漢字は1006字。そのそれぞれに3例文、つまり3018例文の全てに「うんこ」が用いられ、書き込むマス目までもが「うんこ」の形をしているというのだ。まさに、うんこまみれ・・・。さらに、オリジナルキャラクターの「うんこ先生」までも登場するのだから、一層の親近感を持たせ、子供たちの楽しい学習空間をイメージさせようというのだろう。「面白い・・・!」と。
もちろん、企画者は山本周嗣文響社社長、「出版社を設立し、自己啓発の意味を含めて、教育分野の教科書や参考書も買い集めて研究していたのだと。ただ、教育関係はどれを見ても生真面目なものばかり、勉強がもっと楽しく、面白くならないのか・・・と」。そんなことを考えているうちに、脚本家の古屋雄作氏の「うんこ川柳」なるものと出会うことに。「うんこ」と「漢字ドリル」と言う、あり得ないだろう組み合わせ、面白いものが出来るのでは・・・と「ひらめいた」ものだと言う。
教育をエンターテインメントにしたいという山本周嗣氏。
社会の常識に挑んだ一つのカタチが提案されたということだろう。
(2018/3・2記)
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メモ:
・「うんこ」とは幼児語。とはいえ、常識ある大人にとっては人前で気軽に口にすることははばかられる言葉だろう。人としての羞恥心であり品性の問題でもあるから。
しかし、だからと言えることだが、乳幼児期は「うんこ・うんち」「おしっこ」「おちんちん・ちんこ」「おしり」「おっぱい」・・・などという言葉には敏感に反応する。どこででも口にする。と、親は周辺を見まわしながら慌てて口をふさぐ!「だめっ!」と怒り、その困るしぐさが楽しい学びなのかもしれない。あるいは、周りの人たちの目が笑っていることが楽しく嬉しいことなのかも・・・。世界の幼児にも共通する成長期でもあるようだが・・・。それにしても、これほどにそれらの言葉やカタチに興味をもち、大笑いして面白がるとは・・・。

・『うんこ漢字ドリル』・・・見ればたしかに吹き出すような、しかし、私にはいささか理解に苦しむ例文も多い。が、幼児には面白、可笑しくテンションも上がるらしい。幼児が成長期に知る自らのからだ、その仕組みへの生理的本能、原初的な好奇心でもあるのだろう。目の前で動く手、その指、口に入れ吸い付くことも・・・。まじかに見る母親の喜怒哀楽の表情と気配を感じとってもいる。
・タブーに挑戦するというアイデア――ただ、ひたすら同じ字を書き続け覚える「集中力」や「忍耐力」が学ぶ態度であり、真の学びでもあるという意見は今も常識だろう。
それが苦手、勉強嫌いになった子供たちが多いのも事実だろう――楽しく遊び、積極的に勉強に取り組めるようになるアイデアがあればいいね!
これからの「AIロボット」(学習ロボット)などもそのひとつに・・・? 楽しく学べる可能性はこれから・・・。

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