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■OBの仕事・作品紹介

□ 滝沢全克さん <NEC>(S62年度卒)からの携帯電話「デジタルムーバN」シリーズの報告


株式会社NECデザインで主に携帯電話をデザインしています滝沢と申します。9年前、アナログ方式からデジタル方式に移行する時代に携帯電話デザイングループに所属し、NTTドコモや東京デジタルホン(現J-PHONE)の初期モデルのデザインを手掛けていました。それから、オフィス電話機やPCのグループを経て、また最近舞い戻ってきたわけですが、この数年で携帯電話が全くの別モノになっていて、配属当初は結構戸惑いました。1993年頃は契約費用が7万円以上、形状も黒いカタマリで重量300g弱と、携帯と言えるのかというモノでした。現行機種と比べると、各機能のレイアウトはほとんど変わっていないのに、携帯電話を取り巻く環境や性能、人との関わり方は激変したと言ってもいいでしょう

ここ数年で携帯電話に様々な変化がありました。大きさ競争、メールの普及により2つ 折り携帯の定番化、コンテンツの多様化によるカラー大画面への移行、カメラやGPS機能の搭載、3G等々・・ところが店頭で携帯電話を見てみると、どれも同じようなデザインのモノに見えると思います。普段社内で携帯電話のデザインスケッチを広げていても、他グループの人間に「間違い探しやってるの?」と冷やかされたりもしています。確かに製品として携帯電話はすでに成熟してしまった感や多くのユーザーは意外と保守的だったり、また実装部品に関しても大幅に変えるには現行のモデルチェンジの周期にはなかなか対応ができない状況などなど、デザインを大幅に変えることは困難になって来ています。その狭い範囲の中でオリジナリティを表現し、「N」ブランド に課せられた販売台数のプレッシャー等に結構苦労しています。あと、納期も・・今後、携帯電話がどのように進化していくのか、あるいは衰退していくのか、あと数年は見ていくことになると思いますが、単に色、形のみではなく、1ユーザーとしてどのようなモノが欲しいのか、どのような提案ができるのかじっくり考えて行きたいと思っています。そろそろ「N」ブランドに頼っていけそうもないし・・

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P.S.
今後、国内の携帯電話需要は大幅には伸びないと予測されます。これからは13億の人口を抱える中国の市場に力を入れようとしています。実際に中国に行って、日本のカメラ付き携帯を見せると目を輝かせて興味を示していました。写真好きな人が多い中国では、カメラ付きの携帯電話は日本以上にブレイクするかもしれません。


滝沢 全克
Masakatsu Takizawa
NEC Design,Ltd. Design Group 3
E-mail・・・taki@design.nec.co.jp