NUDNimageNUDNとはimageID/PD分野についてimageお問い合わせ

image
partitionホームpartition藝術学部情報partitionデザイン学科情報partition学生作品partition卒業制作品partitionリンク集partitionメールマガジンpartition
image

■OBの仕事・作品紹介

□桑原祐吾さん<株式会社 東芝>(H9度卒)からのGUIの報告。

桑原さんは大学を卒業後東芝に入社、主にコンピューター画面に於けるGUI (Graphic User Interface)デザインを行ってこられました。今回はそのGUIについてお聞きしました。報告作品と併せてお読み下さい。

■放送局用システムー1。

動画素材、音声素材、静止画素材をハードディスクにて管理するためのシステムのGUI。
かなり専門性の高い分野で、実際に操作する人間の生の声をいかに反映するかがポイントです。映像のサムネイルがさまざまなので、画面的にはかなりトーンを落としたテイストにしています。情報の優先順位による切り分けにも気を配りました。



■放送局用システムー2。
各素材をつなぎ合わせ、実際の番組を作成するシステムGUI。
大量の作業と機能をアイコン、色相差などを使い、まとめあげました。



■放送局用システムー3。
一つの素材からDVDのようにチャプターを切り分け、余分なものを省き、IN点とOUT点を設定する編集システムのGUIです。時間の流れの見せ方、アナログ的な表現などを盛り込み、メンタルモデルをくずさないよう気を配りました。



■介護保険に関係するシステム。
介護保険に関係するシステムのGUIです。01年Gマークをとりました。使用ユーザは自治体職員です。
非常に混沌としている介護保険の分野で、スピーディーな要介護申請者の状態の把握とスムーズな認定審査会を行うためのシステムです。
こちらも情報の整理が非常に大きなポイントです。以前のものと比べると作業時間が大幅に軽減したという報告もあります。
HPアドレス:http://always.toshiba.co.jp/



GUIに関するQ&A

Q・GUI (Graphic User Interface)とはどのようなものですか?
  例えば、ケイタイ、PC等のどのような所でどのように使われているのですか?
A・
まず僕の部門でのGUIは大きく3つです。
一つ目は情報映像系。二つ目は社会情報系。三つ目はWeb系に分かれます。
GUIは、携帯だと起動画面から各操作、設定に至るまで画面に表示するもの全てがGUIの対象になります。
その他の例ですと、EPG(デジタルテレビ等の番組表)、録再DVDの編集画面等すべてデジカメの液晶操作  画面(最近ではSORA等)。
上記はエンドユーザが不特定多数ですが、その他に放送局用のシステムの画面や原子力発電所の系統図を監視する画面、自動改札機の取り出し口の画面、医用機器の画面等です。つまり画面があるもの全てになりますね。又、画面だけでなく、例えばリモコンのキーアサインや形態のボタン配置、家電製品の表面レイアウト、新しい入力デバイス等、人間工学の知識を使うIDっぽいところもあります。

Q・GUIの今後の必要生とその重要性についてはどう思われますか?
A・
GUIは今後ますます重要なるだろうといわれてますよね。それはブルートゥースやユビキタス等のデジタル技術が進化するにつれ、それに関する操作がハードからソフトに移っていくと思われるからです。最近の製品にはほとんど液晶がついていたり画面があったりします。また設計側の立場からしてもコストダウンになりますからね。

Q・何故インダストリアルデザイン出身者がGUIをデザイン出来るのですか?
A・
これはIDとまったく同じです。
要は使いやすくて美しいものを作るわけですから。流れもアイデア検討、スケッチ、色彩計画、モデルの作成、実装という手順を踏みます。ちょっと違うかも知れないのは情報デザインという作業が入るところですかね。非常にたくさんある情報を優先順位をつけたり、不要な情報をカットしたり、逆にこういう情報を入れたほうが使いやすいなどですね。ですからIDというか「デザインすること」に関しては同じです。

Q・作っていく上で大事な事等、特徴的なところはどんなところですか?
A・
GUIデザインにおいて特徴的なことは、やはり情報デザインでしょう。階層構造やグルーピング、直感的把握、メンタルモデルとの整合性。その他「触りたくなるような」「美しい」「商品と素材(画面の場合テイスト)のマッチング」などはIDと同じです。

Q・送られてきたGUIのもっとも気を使ったところ、叉は他と異なる点はどこですか?
A・
メンタルモデルとの整合性、情報の整理、情報の把握です。
放送局で使うものなので、すばやく現状把握をすることが重要です。また時間の流れやタブによる情報グルーピングなど情報の整理に非常に気を使いました。要介護認定支援システムは当時まったく新しい提案でした。申請者の状態を視覚的(色やグラフ等)に直感的に把握できることに気を配りました。

●どうも色々分かり易い御説明ありがとうございました。
これからこの分野の重要性が良く分かりました。又このジャンルに興味を持つ学生も増えて来ると思います。桑原さんの今後、益々の御活躍を期待しております。

 *ブルートゥース(Bluetooth)=ワイヤレス接続技術。
 *ユビキタス(Ubiquitous)=至る所にある。遍在する。/いつでも・どこでも・誰でも。


■桑原 祐吾
 E-mail:kuwabara@design.toshiba.co.jp