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清水教授のデザインコラム/連載 -171(03/09/2017)

「新聞情報――AI-センセイのカタチ・・・・」

  新聞は私にとっても大事な情報源の1 つ・・・。雨の日も雪の日も早朝には分厚い活字情報を手元に届けてくれるのだから・・有難い!
その温もりを感じながら部厚い紙面の1ページから38 ページまで――世界・日本の政治、経済の動向、地球規模の解説・社説、読者の投稿、社会的な行事や生活紙面の出来事、スポーツなどなどの全てを網羅し一通り目を通す・・・。特に、デザインに関わる製品開発や技術的なニュース、カテゴリーを問わない書評欄は興味深いし、書籍・雑誌・広告などにも触発されることは多い。デザインがもつ対象は広く、雑学的情報であった方がよいのだとも考えている。形骸化した思考で「必要ない!」と切り捨てるだけではイノベーションは生れないだろう。一通り目を通した後、アタリを付けていた記事を丁寧に読み込んでいく時間が大切なことだが・・・。さらにネットで確認する、雑誌、書籍はAmazon などでその内容を読み、購入することも・・・。
ところで最近はAI に関する記事を多く見る・・・。汎用AI やIoT、3D プリンターなどへの取り組み、その開発競争に勝ち残ることが次世代に繋がる、国を挙げての対応が必要だろう。Windows やiPhone 、Google、Amazon、Facebook、Twitter・・・世界の人々に影響を与えている企業の殆どがアメリカ発と言っていい。パソコンやインターネット企業の思惑を拒否したいと思う私も取り込まれ、もはや抜き差しならないという感覚だろうか。

ところで、あのAI ロボットペッパー君のその後も気になっていた。おかれた環境で知識を吸収しながら成長すると言われていたものだ。
家庭用としての感情認識を考え開発されており、開発者が技術力の限界を考えてのコンセプトなのだと言いい、身長・体重は小学生、知力もそのレベル・・・。ネットやyoutube などで見る限り、企業に所属する社員として接客や案内係としての集客目的、話題性が効果を上げているようだ。家族の1 員としてはPepper を中心に家族の団欒、今までになかった新しいコミュニケーションが生まれているのだと。 また、インターネットとつながり、クラウドを通じて自動で機能が追加・改善されながら日々進化しているというのだ。 イギリスの小学校では数学を教えるAI 教師が登場し、本格的なカリキュラムへの採用も検討されているらしい・・・。学習能力や意欲をも高めるAI の活用が進む教育が人間の学習を支援し、能力を高める時代が確実に近づいているということだ。
AIには、10 万件くらいの学生と相対した教育の成功事例を学習させ、教育現場に投入できるレベルにまでブラッシュアップした指導力、さらに最適化したデータなどが蓄積されていくことになる。もちろん、AI 教師ロボットの開発はその緒についたばかり、問題は山積している。子供の学習意欲を高める試みはセンサーなどが搭載され学習中の子供の心理状態を検出、分析することで学習効率を上げるのだという。アルゴリズムとリンクさせたAI ロボットが発話やジェスチャーなどを通じて、学習への興味や動機付けを促す仕組みでもある。子供の特性、思考能力などを分析したデータ、センセイロボットのカタチや感情表現の表情や動き、声なども大切な要素、相互に好感を持って向き合える「カタチ」の可 能性を研究、提示出来るのはプロダクト デザイナーだろうとも考えている。モノづくりにすぐれて機能する産業ロボット、製作者の思い入れが強く反映されている現在の歩行ロボットたち・・・「ソータ」「ペッパー」「ナオ」「キロボミニ」など・・・。そして、AIセンセイの理想像、そのカタチはどの様なものになる? 興味深い・・・。
                        (2017/9・3 記)
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メモ:
:研究開発が進み、AIに仕事を奪われたら人間は失業するのでは、という不安 _!どんな生き残り戦略がある・・・? ヒトの知能や動きに倣うAIロボットの開発競争――汎用AIが進化し始めて人の労働を代行――あらゆる雇用が失われ――賃金労働が存在しない時代――AI時代のベーシックインカム=国民に一律に支給される最低限の生活費――『人工知能と人間社会に関する懇談会 __ _内閣府』――会社に労働者が必要なくなる?――未来社会はユートピア?――働かなくていい社会は幸せか?――人の在り方が根底から変わる? : _A_I_センセイのメリットは“苦手意識”の克服、学生のひとりは、これまでの数学に恐怖心を抱いていたが、AIセンセイによる学習後にはその恐怖が消えた、と。 研究チームはまず、学習を行う幼い子供の教育効率は心理状態に影響されやすい3つの心理状態――「集中している」「気が散っている」「受身な状態」だ。子供たちがAIセンセイにストレスを感じている様子はなく、人間の教師から学んでいる時のような心理状態・・・。さらなる 教育効果を上げる方法の可能性は多いはず、競合するAIセンセイ‐ロボットメーカーの開発競争? _あるいは、「汎用AI」の進化した豊かな社会で「学ぶ」ことの意味、モチベーシヨンはどの様になるのだろうか?

:もはや論理的思考・MBAでは戦えないのだという意見がある。「直感」と「感性」の時代には、極めて功利的な目的だが「美意識」を鍛えている。なぜなら、これまでのような「分析」「論理」「理性」に軸足をおいた経営、「サイエンス重視の意思決定」では、今日のように複雑で不安定な世界においてビジネスの舵取りをすることは出来ないからだ。