NUDNimageNUDNとはimageID/PD分野についてimageお問い合わせ

image
partitionホームpartition芸術学部情報partitionデザイン学科情報partition学生作品partition卒業生作品partitionリンク集partitionメールマガジンpartition
image


増子瑞穂さんの「キャスター・マッシー通信」連載 - 135(01/03/2015)

「人が集まるイオンモール」


●フードコートから見える駐車場と山並み

 家から自転車で15分ほどの場所に大型スーパー、イオンモールができたのは1年以上も前のこと。オープン当初は目新しさもあって大変な混雑でした。月日が経って、そろそろ落ち着いてくる頃かと思ったら、あいかわらずのすごい人です。特に子ども、親子連れ。少子化なんてウソでしょ?と思うくらい、たくさんの子どもがいました。不景気といわれて久しいのにどうしてこんなに人が集まるのでしょう。

イオンモール、どこの店舗もそうですが、とにかく広いです。店内をブラブラしているだけなのに、万歩計アプリを見ると一日で一万歩近くも歩いていることに気づきビックリします。駐車場も広い。おまけに近くのイオンモールは駐車料金無料です。○千円以上お買い上げのレシートで2時間無料、とかケチ臭いこと言いません。この駐車場、店内のフードコートから一望できます。
車好き男子がいる親御さんにオススメ休憩エリアです。我が家は電車好き男子なので、ここから西武線が見えたら最高。何時間でもいられます。そういえば、フードコートから駐車場が見えるようにするって斬新かと。常に人の目があるので、防犯につながりそうです。遠くには山並み。真西なので日の入りのロマンチックな風景も見えるかもしれません。
難点は駅からちょっと遠いこと。最寄り駅から歩くと15分から20分くらい。自転車や車に乗れる人はいいけど、お年寄りは困るだろうと思ったら、駅前からバスが出ています。限られたルートのみですが、無料送迎バスもあります。

飲食店もカフェ、ビュッフェレストラン、ファストフード、フードコートと形態もバリエーションに豊富。店内の食料品街で買ったものを、その場で食べられるフリーのイートインコーナーもあります。デパ地下などで買ったものを家で食べる中食(なかしょく)という食事のスタイルが定着しましたが、買ったものを持ち帰らずその場で食べるというスタイルも定着しつつあるよう。
出来合いのお弁当やお惣菜とはいえ、家で子どもに食事をさせるのは一苦労です。結局ゴミも洗い物もそれなりにでるし。だったら買ったものをその場で食べさせたい、「子どものゴハン」という一仕事を終えたい。(家に帰っても子育てという仕事は終わらないし)。お弁当、お惣菜、パンなど種類も豊富で、レストランやフードコートよりも安く済みます。自動販売機の他にも、ドリップコーヒーの売り場もありました。店員さんが操作してくれるのですが、コンビニ同様およそ100円です。買ったものをその場で食べるという無機質になりがちな食事スタイルに潤いを与えてくれます。
コンビニでも、買ったものをそのコンビニで食べられる、というスタイルの店舗が増えています。時間帯によっては飲酒ができるコンビニも。ちょい飲みにもってこいです。以前はコンビニで買ったものをその場で食べるって「しゃべれる食べれるコンビニエンス」ミニストップくらい。あとはコンビニの外で中学生男子がしゃがんでカップラーメンを食べているイメージでした。

広いこともあって、フリースペースがとにかく多い。乳幼児を遊ばせておける無料のキッズスペース、通路にもちょっと座れる場所が至る所に。売り場の途中に休憩ソファーがポンとおいてあります。かつて大型スーパーの無料休憩スペースと言えば、家電売り場のマッサージ機コーナーくらいだったでしょう。(いや、ダメですよね)。レストランの横にも誰でも座れるソファーが設置されています。行列のためのものではありません。
このフリースペースの多さにデジャブ感を覚えました。ヒカリエです。以前マッシー通信で書いた渋谷ヒカリエのコラム。ヒカリエは若者ターゲットですが、ここでもフリースペースの多さに驚きました。
老若男女問わず、まずは来やすい、くつろぎやすい雰囲気作り。そしてお金を落として行ってもらう。人を集めるには、そんな流れなんだなぁと感じます。(今話題の大塚家具も広さを生かしフリースペースにして、そこでデパ地下やコンビニで買ったものを食べられるようにしたら、椅子やテーブルの良さが感じられるのでは…と勝手なことを考えだしたら妄想が止まらなくなりました)。

そんなことを考えながら、イオンモールの下りエスカレーターに乗っていてなんだか違和感。登りエスカレーターのときには感じなかったのですが、何だか遅いのです、エスカレーターの速度が。思わずストップウォッチで計測。登り23秒、下り36秒。なんと下りの方が10秒以上遅く設定されています。確かに子どもやお年寄りって階段やエスカレーターが怖いのです。特に下り。自分が妊婦のときにも感じました。これは素晴らしい配慮だなぁ。とにかく回転をあげて利益をあげるっていう考え方からは出てこない気遣いだと思います。そういえば東京メトロ渋谷駅のエスカレーターは逆に速度が速くてびっくりしたことが。登りエスカレーターに足を置いた瞬間、あまりの速さに後ろにのけぞりそう になったことがあります、ホントに。子どもやお年寄りは危ない。気をつけてあげてください。

フリースペースの休憩場所も多いし、店内で買った食品をその場でサッと食べられるし、もうちょっとくつろぎたかったらフードコートもあるし、ゆっくりしたいなら落ち着いた雰囲気のレストランもあるし。疲れたらすぐ座れるし。これは人が集まるのも当然です。子どもが多いのも納得。(迷子のお知らせがひっきりなしでした。笑)。人を呼ぶには胃袋をつかまないと。くつろいでもらえないと。
オープンから1年経っても客足は途絶えない。周りのスーパーはうかうかしてられません。近くの西友はこのことを受けてか、リニューアルオープンを控えています。さて、どうなることやら。消費者としては楽しみです。
日芸生ってイオンで買い物したり、食事したりするのかしら?私が学生のとき、よく行くお店は東急ハンズでしたが。笑。

2015年2月28日
増子瑞穂
https://twitter.com/massykachan

関連コラム
「子連れでヒカリエ」
http://www.nudn.net/maccy/102.html

「フリースペース探訪」
http://www.nudn.net/maccy/107.html



























●子ども乗せカートが通路真ん中に鎮座


●お昼にはほぼ稼働

●カートを置いても通路は広々

●お洒落な雰囲気のイートインコーナー

●レストランの横に休憩スペース

●売り場の真ん中にも休憩スペース