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増子瑞穂さんの「キャスター・マッシー通信」連載 - 123(02/03/2014)

「2月のおおゆき」

 2月、関東は雪に振り回された一ヶ月でした。2月4日、2月8日、そして2月14日のバレンタインデー。あまりにもバレンタイン大雪の印象が強すぎて、4日に雪が降ったことなんて忘れてしまってますよね。

2月4日、この日は火曜日。うっすら積もる程度です。小さな雪だるまを作るのがやっとで、子ども達は物足りなさそうでした。次はお休みの日に、たくさん降ってくれるといいねぇと子どもと話していました。
願いが通じたのか、その週末、8日土曜日。未明から雪は降り始めました。ソチオリンピックの開会式と外の様子と両方気にしつつ。朝、外を見ると真っ白。一日降り続き、みるみる積もっていきます。子ども達も私もわくわく。夜の銀世界。こんなことはなかなか経験できない、させられないと思い、小学生の息子を家の前の公園に出しました。北海道あたりに旅行にきた気分です。
明けて9日は晴天。気温もグングン上昇しています。慌てて小学生の息子と、こんどは3歳の娘も公園に出しました。遊ばせなきゃ!さらさらの粉雪は、ふかふかで気持ちよく、雪遊びに最適。公園は、雪だるまや、かまくらを作る子ども達で大にぎわいでした。
そうそう、雪だるまといえば。「日芸に雪が降るとそこがアトリエになる件」ですよね(笑)。今年も大作がTwitterを賑わせていました。今回はメディアの取材も入ったようですね。素晴らしい。お金になるわけでも、ましてや単位が取れるわけでもないことに夢中になる日芸生、誇らしいです。私もそんな素敵な後輩たちの作品に感化されて作りました、ピカチュウだるま。2時間かかりました。翌日筋肉痛になり、気がついたら右手人差し指を突き指していました。作っているときは夢中だし、指も冷やされているしで気づかないんですね。晴天の粉雪まつりは、 一日でほとんど溶けてしまいましたが、突き指は治るまでに2週間かかりました…。

→「日大芸術学部に雪が降るとそこがアトリエになる件2014」
http://matome.naver.jp/odai/2139185967220243301

そして、また週末。14日金曜日、バレンタインデー。朝から雪です。子ども達のお迎えに影響が出ないか心配しつつ仕事へ。なんだか今回はワクワク感がありません。雪質も前回と違う。中学高校の6年間、新潟に住んでいたのですが、そのときのような雪。湿気を含んだ重たい雪です。15時過ぎ、早めに仕事を終えていそいで子ども達のお迎え。雪は降り続いていますが、電車はまだ通常通り運行しています。足元をモサモサ言わせながら、学童と保育園、子ども2人をピックアップし家へ。ホッと一息です。もう外で遊ばせたいなんて気持ちは起こりません。
翌15日、朝起きてテレビをつけると、西武池袋線は池袋から保谷までしか運行していないというではありませんか。最寄り駅から動けないことに驚きました。(保谷〜ひばりが丘間で何が起きているんだ…。あ、保谷に車庫があるからとりあえずそこまでってことなのか…)。が、こんな程度ではなかったのですね。14日からの雪で孤立状態の人が山梨、埼玉、群馬、長野、東京でおよそ5460世帯、7900人以上にのぼりました。一般道でも高速道路でも車が立ち往生し、多くの人が閉じ込められました。亡くなった方もいます。電車内で長時間過ごした人も大勢います。埼玉県の秩父鉄道では、全線での運転が再開されるまでに12日かかりました。
大雪で報道カメラが入れない中、状況はなかなか伝わってきません。(オリンピック放送で報道が手薄だったとの声も出ました)。上空からの映像には、トラックや乗用車が長蛇の列を作っている様子が映っています。しかし、その一台一台に人がいるのか、子どもは?病人は?わかりません。俯瞰映像では、実態がつかめないのです。
いち早く状況を伝えたのは、やはりTwitterなどのSNS。今まさに大雪災害に巻き込まれている人々の状況が伝わってきました。車内に閉じこめられ、食料もガソリンも尽きてしまいそうな中、死の恐怖を味わった人。病人がいて救助が必要なことをTwitterで拡散してほしいという声。そんな中、山崎パンのトラックのドライバーが、積み荷のパンを立ち往生している人たちに配ったというツイートも話題になりました。

今回の大雪で大切だと思ったのはやはり情報です。立ち往生するって分かっていたら、わざわざ高速道路に乗る人なんていないんだし。高速道路での立ち往生は、早い段階で予測して、ドライバーに情報を流し、通行止めの措置をとってほしかったです。
それから、備蓄。何かきっかけがあれば備蓄の大切さを見直されるけど、いざとなるとまだまだ。東日本大震災、まだ0歳だった娘を抱えてペットボトルの水を探した苦い経験があります。それ以来、ちょっとずつ備蓄をはじめ、今では水、お茶、保存食は備蓄するようになりました。無理に買い物に行かなくても数日間は何とかなるかなって、安心感があります。今回の大雪では停電も相次ぎましたが、マンションなどでは、水をポンプでくみ上げるため停電すると水が出なくなるところもあるようです。水がないのは、生死に直結します。落ち着きを取り戻した今だからこそ、備蓄を見直すときです。
あと、無理をしないことですよね。雪の中、チェーンやスタッドレスでもスリップしてしまう車が多かったとか。ましてやノーマルタイヤで出かけるなんてもってのほか。自分自身も危険だし、自分の車が立ち往生してしまうことで、後続の車を巻き込み命の危険にさらしてしまうことすらあり得るのです。

人命に関わる災害につながってしまう雪。でも少しの雪はワクワク感もあります。だからこそ、雪に対して過信してしまうのでしょうか。
去年はホワイト成人式、今年はホワイトバレンタイン。来年の積雪シーズン。雪に対する気持ちを例年よりひきしめつつ。でも、日芸雪だるまにも期待しつつ。です。

2014年2月28日
増子瑞穂
https://twitter.com/massykachan

「ホワイト成人式の一日」
http://www.nudn.net/maccy/110.html



 




image●2月4日、小さな雪だるま


●2月8日、ピカチュウだるま


●14日の大雪は雪だるまどころではなく雪かきの日々


●我が家の備蓄。下の方に飲料、上の方に保存食を