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増子瑞穂さんの「キャスター・マッシー通信」連載 - 116(02/08/2013)

「ネット選挙、解禁。」


●衆院選に続き、参院選でもバラが咲き乱れました

 7月末。仕事がもろもろ一段落して、さてマッシー通信、と思ったら3歳の娘が手足口病になりました。流行りの夏風邪です。いつもならどこぞのカフェでノマドワーカー状態で楽しく集中するマッシー通信も、今回は自宅で娘の様子をチラチラ見ながらの執筆です。夏は手足口病にヘルパンギーナ、冬はインフルエンザにノロウィルス。子どもの病気で季節の移り変わりを感じます。とほほー。

師走の衆院選に続いて、この夏の参院選も、永田町自民党本部に設けられた開票センターからの中継を担当しました。ご存知の通り、自民党が大勝。夜8時の開票と同時に続々と当確が出ました。選挙区、最後の当確は激戦となった東京の武見氏。結局選挙区は岩手と沖縄以外にバラの花がつき、選挙区比例区合わせて65議席を獲得。結果、自民公明合わせて135議席となりました。これで、衆議院で与党が過半数の議席を持つ一方で参議院では過半数に達していない、いわゆる「ねじれ」が6年ぶりに解消されました。ねじれが始まったのは2007年第一次安倍内閣のとき。自民党は参院選で大敗しました。2013年、再びの安倍内閣で、ねじれが解消されました。

開票センター、衆院選のときは自民の政権奪還に注目が集まりかなりの熱気でしたが、今回は選挙戦序盤から圧勝ムード。前回に比べて落ち着いていたと思います。にしても、報道陣の数はやはりすごい。安倍総裁や石破幹事長が開票センター入りするたびに報道陣も押し寄せる。身動きがとれない状態でした。開票センター正面には、バラの花がつくのを待つ候補者パネル。その横には、衆院選のときにはなかった縦型のモニターが。ここに自民党関連のツイートがリアルタイムで流れていました。ネット選挙解禁を感じさせる象徴的な「モノ」でした。

今回の参院選から解禁されたネット選挙。7月4日、公示日の午前0時ちょうど。各党がニコニコ動画を通じて、第一声を伝えました。ニコニコ動画はリアルタイムで視聴者数が出るので、どの党がどれだけ注目を集めているのか一目瞭然です。一日何十回も発信する候補者、連日のように選挙活動の様子を動画で配信する政党、様々です。Twitter、Facebook、動画などを通じて、投票日の7月21日午前0時直前まで、ネットでの選挙活動は続きました。これまでの選挙ではできなかったことです。
しかし投票率の上昇に結びついたのかというと、結果は全く。投票率は52%程度。低っ!沖縄以外の46選挙区で、前回の参院選投票率を下回りました。ネット選挙の解禁は今回、投票率の上昇には繋がらなかったわけです。

ネット選挙の解禁が衆院選だったら、もう少し違った結果になったかもしれません。確かに、衆院選に比べて参院選は地味です。衆議院は全議員が選挙の対象になるけど、参議院は議員の半数ずつ選挙をする。だから、衆議院は総選挙、というけど、参議院は総選挙とはいわず、通常選挙という。(AKBの総選挙は、衆院選の呼び方から来ているんですね)よくわかっていないと、なんであの参議院議員は今回の選挙に出てないの?とハテナに思う。比例区の当選方法も、衆議院と参議院で違う。これもよくわからない。そもそも比例ってなに?必要なの?という人も多いと思う。そんな政治のしくみも交えて、ネットというツールを有効活用する方法をもっと探る必要があると思います。

ネットでの発信も、演説のお知らせや投票のお願いばかりが目立ったのも確か。個人の政策、キャラクターが見えてくる発信をする候補者は限られていました。有権者も、初めてのネット選挙ということもあって、どこを見ていいのかとまどっていたように感じます。Twitter、Facebook、LINE、ウェブサイト、動画…。一言でネット選挙解禁といっても幅が広いのです。

若者がついてこない。若者が投票しない、政治に参加しない。だから、お年寄り優遇の政策ばかりになる。(もちろんお年寄りは大切ですが)。ネット選挙の歴史は始まったばかり。そして、ネット世代の有権者がこれからどんどん増える。今回のネット選挙の反省点をふまえて、次の選挙では各政党、各候補者も対策を練る、はず。次回は、投票率の上昇に繋がって欲しいものです。有権者の半分しか投票しない、若者が参加しない選挙なんて、やっぱりおかしいですよね。

2013年8月1日
増子瑞穂
https://twitter.com/massykachan

追記
参院選トリビア。ってほどでもありませんが。
自民党では衆院選と参院選で、当選に使われるバラの花の大きさが違います。衆院選は候補者が多く一人分の枠が狭いため、小さなバラが(なぜか葉っぱつき)。参院選は候補者が少なく一人分の枠もたっぷりあるため大輪のバラが使われているのですね。

分かりやすくまとめられています。
http://senkyo.yahoo.co.jp

視聴者数、コメント数のデータを見ているだけでも、面白いです。
http://blog.nicovideo.jp/niconews/ni040621.html





 

 

 


 

 

 

 

 






 

 

●開票センターは報道陣でギュウギュウ


●放送用のケーブル


●自民党関連のツイートが流れています


●左が衆院選、右が参院選のバラ