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増子瑞穂さんの「キャスター・マッシー通信」連載 - 104(8/01/2012)

「子連れで木のおうち」

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●木漏れ日の中、階段で遊ぶ子ども達

 梅雨明け間近の休日。朝から快晴。気温はグングン上昇中。夫は仕事。さて、2人の子どもとどう過ごすか。家の中は無理。どしゃぶりでもない限り、2人からの「おそと〜」コールがハンパない。公園は、暑い…。そうだ、「おもはらの森」へ行こう。Facebookにも友人達の「おもはらの森に行ってきたよ!」写真が続々アップされてる。電車にも乗るから息子の満足度は高まるはず。

東急プラザ表参道原宿。JR原宿駅から、徒歩4分、東京メトロ明治神宮前駅からは徒歩1分。神宮前交差点という好立地に建つ、この春開業した商業施設です。前々回のマッシー通信で取り上げたヒカリエと同じ、東急グループです。(東急グループの回し者ではありません。念のため…)
ヒカリエのように駅直結、とまではいきませんが、明治神宮前駅のエレベーターをあがるとすぐ目の前。建物は、神宮前交差点から対角線上にエスカレーターが伸び、鏡のトンネルのよう。色とりどりの服を着た人たちがエスカレーターに乗ると、まるで万華鏡を覗きこんだみたいで、ちょっとしたアート体験ができます。ベビーカーでないのなら、子どもを乗せてあげると喜びます。あまり上ばかり見ていると危ないので、エスカレーターを降りる時には気をつけてあげてください。
万華鏡のようなエスカレーターをのぼって3階へ。旬の「モノ」や「コト」を展開するスペース「オモハラステーション」があります。ここに足を運ぶと、今注目を集めているものに出会える「街の駅」のような存在です。(7月中は映画ヘルタースケルターとランジェリーのコラボレーション、8月中はレディガガプロデュースのフレグランスが世界に先駆け販売)5階には日本最大級のiPhoneとiPadアクセサリーの専門店「アップバンクストア」が。また、羽田空港に出店され人気の、マンガとアニメによるライフスタイル雑貨を扱う「トーキョーズトーキョー」も都心で初出店です。

さてさて、この東急プラザ表参道原宿の6階にあるのが、「おもはらの森」です。中央に六角形の吹き抜けがあり、その周りに、ケヤキやカツラなどの高木がニョキニョキ生えています。吹き抜けを囲むカウンターテーブルにはカラフルな椅子が、 広場内には長椅子や鳥かご風など異なるデザインの椅子が点在しています。素材は、雨や風にさらされることを前提にしているので、ビニールや鉄など。決して座り心地のいいものではありませんが、目にも楽しく、色んな椅子に座ってみたくなります。そして、広場を取り囲むようにぐるりと階段が。階段も六角形をモチーフにデザインされています。これは子どもにはたまらない空間です。昇りたくて遊びたくて、うずうずしている様子が伝わってきます。

おもはらの森、環境への工夫もいくつかあります。何やらヒュンヒュン音がするので、建物を見上げると可愛らしいプロペラが2基。小さな風力発電です。中央吹き抜けからは自然光が入り、館内で使用する電力を抑えています。広場内には鳥の水飲み場や巣箱が置かれています。巣箱は、周辺に生息するシジュウカラやスズメの生態に合わせて神宮前小学校の子ども達が作ったそうです。小学校にも巣箱を置いて、明治神宮、表参道のケヤキ並木、そしておもはらの森と、巣箱で地域をつなぎ、生き物にも棲みやすい環境づくりを目指しています。他にも、広場の階段はリサイクル材を利用するなど、ひとつひとつは小さなことかもしれませんが、人が何かを作り出すときに、ほんのちょっと環 境の ことを考え る。その積み重ねが大切なのではないかと、これらの工夫から感じます。

おもはらの森、暑さへの工夫も。7月中旬から、吹き抜け周辺と広場内の木、9カ所にミストシャワーが付いています。気温26度以上、湿度70%未満の条件を満たす時に稼働し、9月頃までを予定しているそう。このミストが風にのって広がり、心地いい。さらに、6階という高さで周囲を遮る建物もないので、風がとても強い。小さいながらも風力発電が設置されているくらいですから。併設するカフェで注文したランチのリーフレタスが飛ばされるほどです。風が強く湿度が低いので、気温が高い日でも体感温度は低く感じます。日陰にいると、ちょっと肌寒く感じるほどです。
そう、このおもはらの森、スターバックスが併設されています。でも、店の敷地内でなければ、特に注文の必要はないよう。午前中は近くの住民が利用し、お昼にはお弁当を持ってきて食べる人、夕方には寄り添うカップル。朝8時半のオープンから夜11時のクローズまで人の姿がたえないフリースペースになっています。
ただ、連日の暑さ。おもはらの森には、スターバックスの「なんとかかんとかフラペチーノ」を食べている人がたくさん。人が食べていれば、食べたくもなるというもの。この日も息子にねだられ、購入。(子どもなんぞ、ガリガリ君で充分なのに。と思いつつ)いったいこの夏だけで、何フラペチーノ売れるのでしょう。フリースペースとはいえ、商業効果もきちんとありそうです。ただ、このフラペチーノも強風にあおられてテーブルから落としてしまう人続出。コーヒーを飲む方は、紙のカップも飛ばされるので、マグカップで注文するのがおすすめです。気をつけましょう。
子ども達は個性豊かな椅子に座ってみたり、階段を昇り降りしたり、ミストシャワーに歓声をあげたり、大はしゃぎ。動き回って楽しそう。時間を忘れて2人で遊んでいます。都心で、離れて安心して見ていられる空間というのは貴重です。親「あぁ、来てよかった…」。

ちょっと残念な面も。まず、バリアフリーへの対応が弱い。森への入り口は自動ドアではなく、手で開け閉めするドア。自動ドアは開いたままの時間が長いため、風が強い場所では建物内の室温に影響が出やすいので敬遠されがちです。また、風で開いてしまわないように、ドアは重厚に出来ています。ドアが重く、車椅子やベビーカーで出入りしづらい。さらに、ドアの下の部分には2センチほどの段差があります。ここをベビーカーの車輪がひっかかってしまい、うまく乗り越えられません。車椅子ならなおさら、人の手を借りずに出入りするのは難しいと思います。加えて、ドアのデザインがお洒落すぎる?のか、その存在に気づかず、出入り口を探す人の姿も。建物に馴染むようにデザイ ンし すぎて、ド アであることがわかりづらくなっているという。うーん。

なによりも子どもを持つ親として、一番イヤだな、と思うのはおもはらの森入り口に設置された回転扉。回転扉は、外気が入りにくいため室内の温度を一定に保ちやすいなど、いくつかのメリットがあります。
しかし、どうしても2004年3月に発生した、六本木ヒルズ森タワーの回転扉の事故が思い出されるのです。母親と観光に訪れた6歳の男の子が、母親より先にビルの中に入ろうと回転扉にかけより、頭を挟まれて亡くなりました。この事故には、様々な要因があります。扉が風圧に耐えられるように、本来アルミ材を使う部分に鉄を使い、扉が従来よりも重くなってしまったこと。多くの人の出入りを可能にするため、回転速度を最速に設定していたこと。危険感知のセンサーに死角があったこと。これらの要因が絡み合い結果的に幼い子どもが亡くなってしまいました。もちろん、親が目を離してしまったこともあげられるでしょう。でも、子どもは動くものにかけこむ生き物だと思います 。ど んなに注意 しても。特に男の子は。立体駐車場での事故も後をたちません。
親は子どもから目を離さない、も重要だけど、あらかじめ事故が起きない環境づくりも大切。おもはらの森の回転扉は比較的ゆっくり動くので、危険度は少ないのかもしれません。しかし、この日も小さな子どもが回転扉に一人で入ってしまい、その後を親が慌てて追いかける様子を目にしました。

あと、余談ですが、神宮前交差点出口エレベーターからほぼ直結、徒歩10秒ですが、このエレベーターはエスカレーターも階段も併設されていないので、いつも混んでいます。ベビーカーで乗るために2、3回見送ることも。歩ける人は他の出口を利用してほしいなぁと、かねてより思っている駅出口です。便利な場所にあるので、混んでしまうのですよね。

さて、おもはらの森から渋谷方面を見ると、ヒカリエが見えました。ヒカリエも東急プラザ表参道原宿も、不思議なカタチ。ヒカリエは下から色んな大きさのブロックを積み重ねたみたいだし、「おもはら」は建物の上にニョキニョキ木が生えてる。というよりも、建物そのものが木みたい。そうか、ヒカリエは「レゴ」なんだ。子どもが作るでこぼこしたちょっと不格好なタワー。で、おもはらは「こえだちゃんの木のおうち」。(女子は一度は遊んだことがあるのでは)木、そのものが家になってて、幹の中のエレベーターをこえだちゃん人形が昇り降り。子どもの頃にあそんだおもちゃが、そのまま大きな建物になって、その中に入り込んだかのよう。だからなんだかワクワクするのかしら 。
子ども達はここで4時間!遊び。私は、ケヤキやカツラからぽっかりのぞく青空を見ながら、木のおうちに住むこえだちゃんの気分になった梅雨明け間近の一日でした。

2012年7月31日
増子瑞穂
http://members3.jcom.home.ne.jp/massyweb/index2.htm

東急プラザ表参道原宿
http://omohara.tokyu-plaza.com/about/

こえだちゃんの木のおうち
http://www.takaratomy.co.jp/products/koedachan/products/kinoouchi/index.html

マッシー通信連載102「子連れでヒカリエ」
http://www.nudn.net/maccy/102.html





















 

 

 

 

 

 

 





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●吹き抜け周辺にはカラフルな椅子

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●ユニークなかたちのロッキングチェアimage
●雨風に強い素材、奥には鳥かごのような椅子

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●遊び疲れて寝るのは長椅子

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●小さな風力発電

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●回転扉、左手には普通のドア。分かりづらい?

image●駅出口、すぐ横に東急プラザ表参道原宿

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●枝が伸びるとますます「木のおうち」のように?