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増子瑞穂さんの「キャスター・マッシー通信」連載 - 87(03/01/2011)

「子連れでグアム」

2月上旬、家族でグアムへ旅行に行ってきました。4歳の息子と9ヶ月の娘は初めての海外旅行です。

子連れ旅行で最初の関門といえば、飛行機。いえ、その前に空港までの交通です。成田空港には朝7時30分集合。子連れ、赤ちゃん連れには驚異的な時間です。前日の夜、9ヶ月の娘は出かける服を着せたまま寝かせました。なんだか夜逃げのようです。午前5時。着せた服のままオムツも替えず、娘は抱っこひもの中へ。少し目 を開けましたが再び夢の中。4歳の息子は起こして着替えさせ、自分でちゃんと歩いてもらいました。日暮里からスカイライナーで成田空港へ。スカイライナーの登場で成田がグッと近く便利になりました。車内から日の出が見えて、眠たいながらも少しだけ得した気分で旅立ちです。

成田空港到着。
海外への飛行機はテロ対策でセキュリティが厳しく、100ミリリットル以上の液体を手荷物で持ち込むことができません。そのため機内で子どもがグズったときのために、100ミリリットル以下の紙パックのリンゴジュースを探して持っていきました。さらにこの紙パックもジッパー付きの透明な袋に入れなければなりません。 テロ対策とはいえ、なにかと面倒です。
子どもが2人いるので、ベビーカーは持っていったほうがやはり便利。ベビーカーは搭乗口まで使うことができ、搭乗のときに係員が飛行機に積んでくれます。子どももまだ眠い時間だし搭乗まで様々な手続きがあるしで、搭乗直前までベビーカーが使えると何かと助かります。(が、これがあとでちょっとネックにもなってしまう のです。この話しはまた後ほど。)

いよいよ搭乗。小さい子どもがいると他の乗客より一足早く搭乗させてくれます。子連れだとスムーズに動けないため、うれしい配慮です。飛行機はデルタ航空、北米の航空会社です。キャビンアテンダントも外国人が多く、早くも海外気分。見慣れない彫りの深いキャビンアテンダントに息子も興味深げでした。

飛行機で旅行をするとき、子連れなら是非しておきたいことがあります。座席のリクエストです。娘は、ハイハイとつかまり立ちの頃。じっとなどしていられません。抱っこしていてもあらゆるものに手を伸ばし、触ろうとします。また、昼寝もまだまだします。一人で椅子に腰掛けたまま寝られないので、寝たときはずっと抱いて いなければなりません。
息子はというと4歳になっていくぶん落ち着き、聞き分けもできるようになってきたものの、やはり子ども。そう何時間もじっとしていられません。状況を見てトイレを済ませておくということもできず、座席を立ったり座ったりすることが多くなります。そんなわけで、子連れにとって何とか確保したいのが、足元が広めの席。さ らに息子が飽きないように窓の外が見える席なら最高です。
ビジネスエリートクラスやファーストクラスなら広々としているのでしょうけれども、子連れでそんな贅沢はしていられません。(それに、ゆったり快適に旅をしたいからビジネスクラスを選ぶのです。近くで他人の子どもにグズられたとしたら、気分が台無しになってしまうことでしょう。)

多くの飛行機ではエコノミークラスの最前列は足元が広めになっていて、子ども連れにはなにかと便利な席です。
目の前が壁になっていて、足元が広く、つかまり立ちさせるのにも助かります。オムツやら着替えやら何かと荷物の多い子連れ、荷物を置いておくのにも助かります。また前の座席を赤ちゃんがおもちゃなどでコツコツと叩いてしまう心配もないので、周りへの迷惑も最小限に抑えることができるのではないかと考えています。
飛行機の種類によって、この最前列の席は「バシネット」というベビーベッドを取り付けることもできます。9ヶ月くらいまでの赤ちゃんを寝かせることができ、赤ちゃんが寝たときや、親が機内食を食べるときなどに役立ちます。ただ、シートベルトサインが出た時には赤ちゃんがどんなに寝ていても抱っこしなければならないの が難点ですが。娘の場合もリクエストしてみたのですが、体が大きすぎるため取り付けられませんでした。デルタ航空のバシネットは航空会社の中でも小さめのようです。娘の抱っこを夫と交代しながら機内食をいただきました。(機種によって、この座席は非常口の近くになっていることがあり、その場合子連れで座ることはでき ません。)

グアムまで3時間ほどのフライト。機内食を食べたり食べさせたり、トイレに行かせたり、オムツを替えたり、入国のための書類を書いたり(この書類が多く大変!)しているうちに、あっという間に到着してしまいます。むしろ、家から成田までの道のりのほうが大変なくらいです。でも、離陸や着陸のときにかわいそうなくらい 泣いている子どもも。離着陸のとき、小さな子どもは気圧の変化で耳が痛くなりやすいようです。対応策として耳抜き用の飲み物を用意しておくといいそうです。紙パックのジュースもこのことを考えて用意しました。飲み物の機内サービスは離陸後しばらく経ってからです。

それにしても、どんなに快適な飛行機でもオムツ替えだけは毎回苦労します。トイレはコンパクトに必要最低限に設計されているので、オムツ台も非常にコンパクト!一枚の板でしかありません。赤ちゃんの体を支えるベルトもなく、とても狭い!大きめの娘はオムツ台に横に寝かせると体がはみ出してしまうため、斜めに寝かせる しかありません。壁に頭がぶつかってしまい大泣き。こちらもグッタリ。「マッシー通信用に飛行機のオムツ台の写真を」と思っていましたがそんな余裕はありませんでした。飛行機の中でのオムツ替えはできればしたくありません。が、これまた気圧の変化からなのか、快適な空の旅で赤ちゃんは予想外のオムツ活動をしてくれる ものです。

グアム到着。ここで、搭乗口でベビーカーを預けたことがネックに。飛行機から出ると「ベビーカーを搭乗口で預けた人はここで待ってください」といわれてしまいます。しかしベビーカーはなかなか飛行機から出てきません。その間に乗客はどんどん降りて入国審査へ。ベビーカーを預けた子連ればかりが飛行機から降りたところ でポツンと待たされることになってしまいます。やっと飛行機から出てきたベビーカーを受け取り、入国審査に向かうと長蛇の列の最後尾。そしてグアムはアメリカ、テロ後セキュリティが厳しくなっているため入国審査にとても時間がかかります。一人一人、顔写真を撮り全ての指紋をとり、じっくり時間をかけて審査を受けます 。最後尾だったこともあって、結局飛行機を降りてから空港を出るまでたっぷり1時間以上かかりました。
どちらかというと、飛行機の中よりもこの入国審査の列で赤ちゃんにグズられたら困るだろうと思いました。また4歳の息子がいきなりおしっこ!となったらどうしようとヒヤヒヤもの。このことを考えると、成田空港で搭乗口までベビーカーを使うのが楽なのか、それともあらかじめスーツケーツと一緒にベビーカーも預け、到着 後入国審査を終えてからベビーカーを受け取ったほうが楽なのか、ちょっと考えてしまいます。

数々の難関?を乗り越え、空港を出るとそこは南国、グアム!数時間前からは考えられない気温と湿度です。日本ではインフルエンザ対策で手放せなかったマスクももう必要ありません。乾燥からの手あれもすっかり治ってしまうくらいでした。
グアムでは、中心地へ買い物にも出掛けました。グアムには鉄道はなく交通手段はバスかタクシーです。バスといっても日本とはかなり様子が違います。いうなればサファリパークで使われているような車体です。窓ガラスはなく熱気を帯びた風がダイレクトに入ってきます。基本的にベビーカーは畳んで、子どもは抱っこして乗ら なければなりません。半分むき出しの車体でかなりのスピードで走るので、子どもが振り落とされそうで怖く感じます。赤ちゃんを抱っこして乗るのなら抱っこひもがあったほうが安全です。
買い物中もやはりオムツのことが心配だったのですが、オムツ交換台はいたるところにあるので不便は感じませんでした。男性トイレに設置されていることも。ただ、日本のオムツ交換台に比べて、簡単な構造なものが多かったです。ベルトも細いですし、強度も日本のものに比べると弱く感じます。驚いたのは、洗面所のようなた だのフラットな台がオムツ交換場所とされていること。簡易式のベッドも赤ちゃんを固定するベルトもありません。ゴロンと寝かせることもできないので、立てる赤ちゃんしかオムツを替えられません。
またトイレの個室のドア部分は、防犯のために上だけではなく下も空いています。このことに馴染みのない日本人にとっては、用を足すときに落ち着かないかもしれません。でも子どもが一人で用を足すときは外から様子がわかるので親としては安心です。

滞在中、親の奮闘をよそに子どもは海にプールにと大はしゃぎ。あっという間の3泊4日を満喫し帰国。帰国の飛行機では非常口の関係で最前列がとれず、あらためて足元が広めの席の良さを痛感しました。帰国便でもやはりベビーカーを搭乗口で預けたのですが、日本到着時には飛行機を降りたところで、もうベビーカーは用意さ れていました。同じ航空会社でも降りる場所がグアムと日本では対応がかなり違います。日本人ですから入国審査もすぐに終了。飛行機を降りてからあっという間に入国です。
そして成田空港でオムツを替えようと入った多目的トイレを見て感動!個室内に設置されたオムツ台、しっかりした構造。これまで当たり前のように思っていた日本の多目的トイレがひときわ素晴らしく感じられます。やはり日本は、きめ細かい配慮に包まれている国なのですね。
子連れだと何かと大変な海外旅行ですが、それでも気持ちはリフレッシュ。そして子連れだからこそ、様々な経験ができました。この旅行記が子ども連れで旅行される方の参考になれば幸いです。

2011年2月28日
増子瑞穂
http://members3.jcom.home.ne.jp/massyweb/index2.htm








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●赤ちゃんが寝てしまったら抱っこのままですが、足元広めの席なので楽に感じます。

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●4歳の息子。座ったまま寝られるまで成長すると楽!一丁前の運賃はかかりますが。

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●デルタ航空。グアム国際空港にて。

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●グアムのバス。ベビーカーは畳んで抱っこ。少し不便です。

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●オムツ台。日本のものにくらべて簡単な構造です。

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●オムツ台!?オムツが替えづらいです。

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●トイレのドアは防犯のため、下も空いています。

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●成田空港にて。海外から帰ると機能的なトイレに感動!

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●日本から3時間あまり。グアムは子連れにとって気軽に行ける海外です。