NUDNimageNUDNとはimageID/PD分野についてimageお問い合わせ

image
partitionホームpartition芸術学部情報partitionデザイン学科情報partition学生作品partition卒業生作品partitionリンク集partitionメールマガジンpartition
image

増子瑞穂さんの「キャスター・マッシー通信」連載 - 84(12/01/2010)

「イクメンもトイレ」

「手伝おうか?」
子育て中の母親に、夫が最も言ってはいけない一言なのだそう。
この秋に放送されたNHKのクローズアップ現代で、育児に積極的にかかわる男性が紹介されました。通称「イクメン」です。
生まれたばかりの我が子の世話をするために、仕事一辺倒だった生活から「働くのは週に3日、これまでの収入を4割減らしても構わない。」と、正社員を辞めた若手社員。これまでにない社員の申し出に困惑する会社と話し合い、育児に取り組む姿を紹介したケース。
また、妻の社会復帰のために3ヶ月の育児休業をとる男性のケースも紹介。初めて夫一人で子どもの世話をする日、これまで母乳で育ってきた赤ちゃんを相手 に、哺乳瓶に悪戦苦闘する姿。掃除、洗濯をこなしつつ、泣きやまない子どもを寝かしつける様子。子育ては、手際と根気が必要な作業だと気づいたそう。
このような男性が増えた背景には、今年6月に厚生労働省がイクメンプロジェクトを発足させたこともあります。

「イ クメンプロジェクト」とは、働く男性が、育児をより積極的にすることや、育児休業を取得することができるよう、社会の気運を高めることを目的としたプロ ジェクトです。昨今は育児を積極的にする男性「イクメン」が話題となっておりますが、まだまだ一般的でないのが現状です。改正育児・介護休業法(2010 年 6月30日施行)の趣旨も踏まえ、育児をすることが、自分自身だけでなく、家族、会社、社会に対しても良い影響を与えるというメッセージを発信しつつ、 「イクメンとは、子育てを楽しみ、自分自身も成長する男のこと」をコンセプトに、社会にその意義を訴えてまいります。(厚生労働省サイトより)

お父さん達の育児に対する気持ちも、企業のとりくみも少しずつ変わってきています。とはいえ、まだまだ男性が育児に関わるのは難しいのが現状です。北欧のように男性の育児が当たり前の世の中になるのは、日本では先のことに感じます。

前回のマッシー通信で、「やっぱりトイレ」と題し、子連れでトイレについて考えました。もちろんイクメンも子連れでのトイレ問題に直面することが考えられます。
最近はお父さんだけで赤ちゃんを連れている人もよく見かけるようになりました。カラフルな抱っこひもで赤ちゃんを抱っこしたり、ベビーカーを押したりする姿は、とてもほほえましく思わず目がいきます。
我が家でも家族で買い物などに出掛けたとき、夫に4歳の息子と7ヶ月の娘を任せ、一人で用事を済ませることがよくあります。夫は片手で息子と手をつなぎ、 もう片方の手でベビーカーを押している状態。ちょっと大変そうだなと思いつつも日頃は私1人でこなしていること。お願いすることにしています。
それに小さい子どもとベビーカーと一緒に全員で動き回るよりも、どちらか一人が子どもの面倒を見て、もう一人が買い物をさっと済ませてしまうほうが効率的です。(そして買い物といえば女性のストレス解消法でもあります。たとえそれがキャベツや豚肉だとしても。)

私一人で買い物を済ませ、夫と合流したとき。「トイレ大丈夫?」と夫をねぎらったところ、「うん、済ませたよ。」となにげない顔。
長時間、赤ちゃんを連れているとたいていは自分がトイレに行きたくなって困るものです。しかし、男性はほとんどの場合、トイレのとき個室に入る必要がない のですね。ベビーカーと一緒にトイレに入り、あいているスペースにベビーカーを置き、目の届くところで用を足すことができる。これは女性とは大きく違うと ころです。 女性の場合はどんなときでも個室に入らなければ用が足せません。そしてベビーカーの存在がネックになることに。お父さんの方がベビーカーで出掛けやすい! といえる大きな発見です。

しかし、オムツを替えるとなると事情は違います。
公共の施設などでは、男性も女性も入れる多目的トイレをよく見かけます。ですが、ファミリーレストランなどでは多目的トイレを設置するスペースがないこと がほとんど。そこで夫がオムツを替えようと男子トイレに入ってもオムツ交換台が設置されていることは少ないのです。オムツ交換台は女子トイレにしか設置さ れていない ことがほとんど。イクメンプロジェクトが発足したとはいえ、男子トイレへのオムツ交換台の設置は遅れています。

と、なるとファミリーレストランで、オムツ交換は必然的にお母さんの役目になります。いえ決して、オムツを替えるのがイヤというわけではありません。モチベーションの問題なのです。
食後のひととき。ゆっくりお茶の一杯でも飲みたい。ささやかな幸せ。そんなときに限ってなぜか赤ちゃんはウンチをします。そこで、
「男子トイレでもオムツは替えられるけれど、今回は私が替えるわ。パパ座ってて。(絵文字のハートマークのテンション)」
と、いうのと。
「男子トイレにはオムツ交換台がないから、私が替えるしかないのね。(怒りマークのテンション)」
ではオムツ替えのモチベーションが全く違うのです!
わかっていただけますか?

比較的リーズナブルなファミリーレストランは子育て中の家庭にとって強い味方。食事を作る手間もなければ、お皿を洗う必要もありません。経済的にも精神的 にも肉体的にも子育てを助けてくれる場所。それなのにオムツ交換台がないことによって、満足度が下がるなんてもったいないハナシです。
加えて、お父さんだけで子どもを連れてファミリーレストランを利用するとしたらオムツ交換はどうするの?とも思います。私も夫が休みの日に仕事に行くこと があります。夫だけでファミレスなどをうまく利用できれば慣れない育児もずっと楽になると思うのですが、オムツ交換で困ることが想像されるとファミレスに 足が向かわ ないことでしょう。

男性が赤ん坊のオムツなぞ替えたことがない世代の方には信じられないことかもしれません。子育ては切れ目なく続く重労働。少しでも、楽しく、肩の力を抜いて向き合うことがお父さんもお母さんもそしてなにより子ども達がハッピーに過せるコツです。
そして、育児を一人で抱え込まないことも大切なコツ。心配で夫に全てを頼めないという声も聞きますが、思い切って全部任せる。任せることによって、お父さんも分からないこと、困ることが見えてくるのです。
お風呂に入れてあげる、遊んであげる、のイイトコ取りの「お手伝い」ではなく、家のことや自分のことをしながら、子育てをこなす。それが本当の意味でのイクメン。男子トイレへのオムツ交換台の設置など、社会はハードの面からもイクメンをサポートして欲しいです。
そういえば、娘の離乳食が始まり赤ちゃん特有の水っぽいウンチから固まったウンチに変わったのを最初に発見したのも夫。オムツを替えながらとても喜んでいた姿が印象的でした。
こんなウンチのことで喜べるなんて、イクメンならではですね。

2010年11月30日
増子瑞穂
http://members3.jcom.home.ne.jp/massyweb/
http://twitter.com/massykachan

厚生労働省イクメンプロジェクト
http://www.ikumen-project.jp/index.html

お知らせ。
「マッシー通信連載81」で、山本賢司くんがエクステリアデザインを担当した新型マーチを紹介しました。そのマーチがトミカになりました。全国のおもちゃ売り場で発売中です。
ちなみに、山本くんは「イクメン」カーデザイナーでもあります。
「新型マーチ、デザイナーの山本賢司くんに聞く」
http://www.nudn.net/maccy/81.html
「手のひらに夢を」
http://www.nudn.net/maccy/61.html










image
●このようなお父さんの姿、最近よく見かけませんか?

image
●男子トイレにはオムツ交換台のサインがありません。

image
●山本くんデザイン、新型マーチのトミカ発売中です。