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増子瑞穂さんの「キャスター・マッシー通信」連載 - 67(05/28/2009)

「お箸の国の人だもの」

 食べ物のハナシからで恐縮ですが。最近、パスタの種類にも子供が食べやすいもの、食べにくいものがあることを発見しました。以前は長いスパゲッティを折って茹でていたのですが、小さな子供ではフォークで上手く巻きとれずスパゲッティが散乱する事態になっていました。そこで今度はフォークで刺すだけで食べられる短いパスタ。ペンネという両端がペンの先のようなカタチで中が空洞になっているパスタです。しかし空洞に入り込んだソースが思いのほか熱々のまま口の中であふれ出し、子供に熱い思いをさせてしまうことに。ソースが冷めにくいのが利点のペンネも子供にはいまひとつです。そこで辿り着いたのがフジッリ。ペンネと同じく短いパスタですが、空洞はなくねじった形状でソースも冷めやすいため子供には食べやすいというわけです。
と、まあ1日3回子供に食事をさせる日々。食卓ではこんなささいな発見をすることもあれば、じんわりと大切なことに気づかされることもあります。
普段は子供用のスプーンとフォークで食事をしているのですが、やはり日本人。箸を上手に使えるようなってほしい。そんなふうに思っていた頃、子供でも簡単に使える箸を知りました。箸に親指、人差し指、中指を入れる輪がついていて、順に指を入れていくと子供でも簡単に箸が持てるのです。輪はシリコンゴム製で指にやさしい素材が使われています。箸の上部がくっついているため、持ったときに1本1本がバラバラになることもありません。
説明書きには2歳から使えるとあったのでさっそく使わせてみました。最初は新しいものに興味を示し楽しそうに使っていたのですが、それも束の間。5分ほどすると飽きたのかその箸を離してしまいます。もう一度、輪に指を入れさせてみてもまたすぐに放り出し、しまいには手づかみで食べ始めてしまいました。仕方なくまたスプーンとフォークを使わせて食事をさせました。なぜだろう、子供が使いやすそうな箸なのに。
しばらくして、保育園の先生との会話に答えがありました。「○○くん、スプーンの持ち方がまだ逆なので食事のとき声をかけてあげてくださいね。」
まだ、逆?最初、私にはその意味がわかりませんでした。

 手づかみ食べを経て、スプーンを自分で使うことに興味を持ち始めるころ。小さい子供はスプーンの柄の部分を、まず上から包むようにして握ります。握力の弱い子供にとってこれが一番握りやすい持ち方なのです。(写真A)この時期を経て、次は柄の部分を下からすくうようにして持ち始めます。でもまだ指をそろえ握りしめたままです。それでも下からすくうように持つことで、手首のスナップを使いながら食べることが始まります。(写真B)そして、鉛筆を持つようにスプーンを使えるようになります。大人と同じように指を巧みに使ってスプーンを持つことができるようになるのです。このころから箸も無理なく使えるようになるそうです。箸も下からすくうようにして持ち、指も使いますね。このような段階を経て子供は箸を使えるようになっていくそうです。
息子に初めて箸を使わせたとき、まだスプーンを握りしめていた時期でした。それも上から包むように握る最初の段階です。実際にやってみると分かりやすいのですが、上から包むようにして持つのと下からすくうようにして持つのとでは力の使い方がまるで違います。まだ上から包むようにスプーンを握っていた息子にとって、下からすくうように持ち、さらに指も使う箸はかなり負担になっていたのですね。ですからすぐに箸を離してしまっていたようです。
この輪のついた箸そのものはとてもよく考えられていると思いますし、本格的に箸を使い始めるころ育児をサポートしてくれる道具だと思います。しかし今回のように使う時期をあやまってしまうとせっかくの道具も活かすことができません。
「お箸の国の人だもの。」
そう思って箸を使うことそのものに躍起になり、使い始めるタイミングをあせってしまったようです。ゆっくりとその子の成長にあわせた道具を使う大切さ、そしてなによりも食事は楽しい時間であることを伝える大切さに気づかされた出来事でした。
最近ではスプーンを上から握ってみたり、下から握ってみたり。自分なりのペースで楽しみながら正しい持ち方を学んでいっているようです。

2009年5月30日
増子瑞穂
http://members3.jcom.home.ne.jp/massyweb/index2.htm















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●輪のついた箸

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●A:スプーンの柄を上から握る。

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●B:スプーンの柄を下から握る。

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●手づかみ食べの頃。大切なのは食事が楽しい時間であることです。