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■増子瑞穂さんの「キャスター・マッシー通信」連載 - 9(6/28/2004)

「はじめての日本」

先日、アメリカから友達が遊びにきました。
彼女はIDの同級生のMさん。結婚してアメリカでかわいい男の子を産みました。赤ちゃんと一緒に1年3か月ぶりに日本へ帰国したわけです。赤ちゃんにとっては初めての日本。
Mさんが住んでいるカリフォルニアと違い、日本の湿気の高さに赤ちゃんはダイブむずがっていたようです。

ある日の事。
Mさんと赤ちゃんと私の3人で、散歩がてらお昼ご飯を食べようということになりました。赤ちゃんをバギーにのせていざ出発。アメリカではベビーカーのことをストローラーというそうです。作りは日本の物にくらべて幅が広く、車輪も大きく、安定感があってしっかりしています。持ち手というのでしょうか、手で押す部分にドリンクホルダーなど洒落たものも付いていてアイスカフェラテを飲みながらお散歩、なんてこともできます。
そんな、ウキウキ気分で出かけたのですが、現実は厳しかった!

島国日本はあらゆるものが小さくコンパクトに出来ています。
まずは歩道が狭い。人とストローラーがすれ違えるところなんてマシな方で、人が通り過ぎるのを待たなければならないところもたくさんあります。自転車なんかが 停めてあったらぶつかって倒れてくるのではないかとヒヤヒヤします。

食事をしようと思っても、まずバギーが入れる間口のあるところを探さなければなりません。歩道から入り口までの段差がなくてストローラーが入れて、中で方向転 換ができて・・・。普段は気にしなかったことが食事への関門になってきます。(ファミレスに赤ちゃん連れが多く集まるのが納得できました。ファミレスはバリアフリー対策をしているところが多いみたいですね。)

様々な難関を乗り越え、食事も無事?済み、駅の向こう側に行ってみることにしました。
場所は山手線の再開発が進む大きな駅です。住民だけではなく会社員も多く乗り降りします。山手線の中では比較的新しい広々とした駅です。
食事で学習したように、バギーは段差がダメ。たまにエスカレーターにベビーカーを無理矢理乗せている人を見かけますが、とんでもない!(気持ちは分かりますが。)
エレベーターに乗ることにしました。ところが・・・ない。いえ、ないわけないのです。
新しく駅を作る場合、階段、エスカレーター、エレベーターの全てを設置しなければならない、と何かで聞いた覚えがあります。(スミマセン、テキトーで。)しばらく探すと、ありました、階段の裏の方に。それも奥の奥の方に・・・。どうして階段やエスカレーターが一番利用しやすいところに設置されていて、エレベーターが申し訳なさそうに奥の方にチョコンとあるのでしょう?エレベー ターに乗る人は乗るなりの事情があるのです。ベビーカーを押していたり、車いすだったり、お年を召していたり、怪我をしていたり・・・。それが何ゆえ一番利用しにくい場所に!?
エレベーターに乗ってもバギーが入ればあとは大人二人がやっと乗れるくらい。先に誰かが乗っていれば次を待たなければなりません。島国日本、さすがコンパクトです。

この辺りで私の怒りはピークに!でもMさんは落ち着いています。
「しょうがないよ。ストローラーでエレベーターに乗るには結構待たなければならないし、色々なことをするのに思った以上に時間がかかるし、もう物事をギリギリの時間でしようなんて思わないんだよねえ。」ごもっともです。赤ちゃんの安全が第一です。Mさんの気の長さ、学生の頃を思うと考えられないくらいの変わりようです。母は寛大です。

でも母の寛大さに甘えてばかりいていいのでしょうか。子供を持つ人がこんなに住みづらくていいのでしょうか。3人で散歩した日から、歩道の幅や、段差や、エレベーターなど、色々なことが気にかかります。

最近、車のCMで、お母さんが子供を抱っこしながら狭いスペースの冷蔵庫を覗き込むというのがあります。「狭いスペースにお悩みのあなたへ、招待状です。あえて 手狭なスペースに クルマをご用意してお待ちしています。」
狭いスペースでも、子供を抱っこしたまま車のドアを開けて、安全に乗せられる。なるほどなと思いました。小さな子供を持つ親にとって、欲しい車というのは、緑の中を颯爽と駆け抜けるイメージでは、きっと、ないのです。

2004.6.27
増子瑞穂
massy@d4.dion.ne.jp












































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●マッシーとMさんの長男