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コラム「創造力の根っこ」VoL.99(03/07/2017)

仮想通貨で生活が変わる?」:リブート(Reboot再起動)   
                                  
鈴木淳平

 諭吉さんが沢山あると安心、支払いは1円単位の現金払いがいい
欲しいものは無いけど必要な時に遣いたいからとりあえず貯金する
お金に名前、使い道なんか書いてあるわけがない!
生活に必要なお金と国や企業の資本・経済活動に使うお金を分けたら

お金を目的別に使い分ける
これは電気代、これはお米代など「家計簿」を付ける日本の主婦は現実的で工夫名人、経済観念がシッカリしていて「へそくり」も予算化しているかも。マイナス金利政策で銀行入出金の手数料を取られるより得と「タンス預金」が増え昨年末、現金と預金の金融資産は932兆円で過去最高に。日本人のクレジットカード払いより1円単位で現金払いする習慣は世界でも少数派だそうです。
仮想通貨の時代がやってくる
一説には数千種類と言われる仮想通貨です。国単位で発行する通貨とは異なり国境を超えた電子の世界で普及し、詐欺まがいの仮想通貨やランサムウエアウイルス支払いに指定される仮想通貨など、どの仮想通貨を信じてよいか不透明感がぬぐえぬまま仮想通貨の流れが確実に来ています。仮想電子通貨、暗号通貨など名称でも混乱しがちですがここでは仮想通貨に統一します。

約100年前に21世紀の仮想通貨は予見されていた
シュタイナー(Rudolf Steiner, 1861年- 1925年)は、すべての生き物が老化するようにお金も同じように老化させるべきと「老化する貨幣」(エージング・マネー:老化貨幣)を提唱。(『エンデの遺言』NHK出版2000年刊、P75)
ゲゼル(Michael Ende, 1929年- 1995年)は、ドイツのシュタイナー学校へ通った児童文学(Silvio Gesell, 1862年-1930年)は、ドイツ人実業 家・経済学者。時とともに価値が減る「自由通貨」を提唱(『エンデの遺言』P74)
エンデ(Michael Ende, 1929年- 1995年)は、ドイツのシュタイナー学校へ通った児童文学作家。「…パン屋でパンを買うお金と、株式取引所で扱われる資本としてのお金は、二つのまったく異なった種類のお金であるという認識です」(『エンデの遺言』P3)、「生活のお金と経済活動のお金は異なる」と要約でき、生活に必要なお金が国や企業の経済の犠牲にならず区別すべきと理解できます。
 シュタイナーの「老化貨幣」とゲゼルの「自由通貨」は、厳しく制限指導されはじめた流行りの「ふるさと納税」の原型とも言える「地域通貨」、「クーポン」などへ発展したと想わされます。最小単位の家庭という「共同体」で遣うお金と、企業、経済や政治が絡む「社会」で使うお金を分けるべきだと理解できエンデの残した「生活のお金と経済活動のお金は異なる」が、格差社会を平たい方へと導き、人間の信用価値を引き上げ人間関係を良い方向へ導くようになるはずです。100年前の提言や示唆を仮想通貨と理解すれば今と異なるのは電子利用の仮想通貨であることが21世紀の必然性を感じざるをえません。

仮想通貨「ビットコイン:Bitcoin」
「分散型仮想通貨」といわれるBitcoin(ビットコイン)は固有名詞なので一般的には仮想通貨です。支払いにビットコインを受け入れる店舗なども増え始めています。急速な発展を遂げる中国の金余り企業の抜け道として元やドルをビットコインに交換する傾向が指摘され、ビットコインを内部留保し時期をみて換金したとき中国政府が課税措置を執ると言われているそうです。
ブロックチェーン
仮想通貨の信頼性を担保する技術としてのブロックチェーンは、分散型台帳技術、または分散型ネットワークと言われ、Satoshi Nakamoto(日本人の名前のようですが詳しくはネット検索)によりビットコインの中核技術として考案、実装された技術で、独立させ、ほとんどの仮想通貨に採用されているフィンテックです。
仮想通貨「ポットコイン:PotCoin」(「新報道2001」フジTV6月18日放送) 米プロバスケットボールNBAの元スター選手ロッドマン氏が平壌に訪朝した際、黒いTシャツに白い文字でPotCoin.comと広告塔のように映像で紹介され、銀行とマリファナ業者の取引禁止措置の中、外貨獲得目的のマリファナ栽培を奨励する北朝鮮にとって願ってもない仮想通貨が紹介されたと報道されました。
仮想通貨「イーサリアム:Ethereum」(日経新聞5月23日より)
Bitcoinが仮想通貨のシェア50%を占める現状からBitcoinイコール仮想通貨と思われがちですがトヨタや三菱UFJ銀行が参加を決めた、目的を明記し達成されなければ価値にならい条件付きで、お金に名前を付ける、付けることを可能にしたイーサリアムが仮想通貨の可能性と多様性を進化させています。

すべてが電子化されることへの戸惑いと不安、避けて通れぬ今後、世界的な傾向は仮想通貨にシフトする動きであることは間違いなさそうです。
お金に目的を明記出来る、使途限定出来るこれから
遣うお金に、これは電気代、これはお米代と限定明記し発行されたら、それ以外の目的でお金を遣えなくしたらどんな世界が見えてくるでしょうか?生活だけに遣えるお金の発行や宝くじのように使われ方はともかく使用目的が明記された税金などを仮想通貨にすれば可能性が広がり信頼性が増すと感じます。
ベーシックインカム制度導入
すべての国民に対し無条件で生活するのに必要な現金を定期的に政府が支給するベーシックインカム制度を日本で導入出来るか?ナミビア共和国(アフリカ南西部)の村で実際に実験が行われ、貧困世帯が減り犯罪率も下がり商売を始める人が増加したとのデータがあるそうです。
何十年後かにベーシックインカム制度が現金の代わりに使途限定仮想通貨で導入されるかもしれません。通貨やお金にリブートが必要な時がきています。

創造力に発展する想像力は経済よりも救済・貢献から生まれる