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コラム「創造力の根っこ」VoL.83 (01/03/2016)

「工夫(device)の究極・人工知能(AI)搭載ロボットU」  
                                  
鈴木淳平

映画に見る人工知能ロボットに現実のロボット開発の未来が見えてくる
人工知能ロボットの開発の基本理念は『ロボット憲章』が源泉になる
人類共存の礎の一つとして国境を越えた共通理念であってほしいものです
人と人の開発したデヴァイスとの共存は可能でしょうか、出来るのでしょうか

オニ(鬼)の記憶話から更に記憶が連鎖し映画『ターミネター』を憶い出しました。
よく似た物語です。むしろ日本の「鬼伝説」をハリウッドが映画化したのではとさえ想えます。ターミネーター(Terminator)の原義が「終結させる」ならば、オニが過去に行きヒトとオニそれぞれが存在できなくなる最終手段と酷似していると感じます。それでも人の希望は未来を明るく照らすものだと言いたいものです。

『ロボット憲章』(SF作家のアイザック・アシモフが提唱したといわれています)
ロボット工学三原則(ロボットこうがくさんげんそく、Three Laws of Robotics)とは、SF作家アイザック・アシモフのSF小説において、ロボットが従うべきとして示された原則である。ロボット三原則とも言われる。「人間への安全性、命令への服従、自己防衛」を目的とする3つの原則から成る。アシモフの小説に登場するロボットは常にこの原則に従おうとするが、各原則の優先順位や解釈により一見不合理な行動をとり、その謎解きが作品の主題となっている。ロボット工学三原則は後の作品に影響を与えたのに加え、単なるSFの小道具にとどまらず現実のロボット工学にも影響を与えた。

人工知能搭載ロボットの未来は、「ロボット工学三原則」を現実に当てはめるなら、人工知能ロボットを開発する人の良識と善意の素養が試されることになります。「ロボット工学三原則」を念頭にデヴァイス(工夫)すれば人に優しいデヴァイス(装置)になりそうです。(人に代わり人工知能が人工知能ロボットを開発する時が来ればその時、人工知能は人がプログラムした抜け道を発見し新たなソフトを加えオニの出現を可能にするかもしれません…)
人工知能がアプリ(ソフトウエア)を改ざんできるレベルになれば、アプる(アプリを自分好みに変える)ことができるようになれば『ロボット憲章(ロボット工学三原則)』の掟(おきて)を人工知能の好みに変えられることになります。表面的な見える処をカスタマイズする分には何ら問題はなくむしろ好ましいアレンジと言えますが、コトモノの「コト」の領域から外側のデヴァイス「モノ」に影響させることを人工知能が案じれば、工夫(悪用)すればそれはターミネーターやオニの出現を意味することになるかもしれません。

似た話は映画では沢山ありますがその中でも話題作の一つだったのが、突然変異したロボットがリーダーとなって人間に背き反乱を起こす物語。
『A.I.』(エー・アイ、A.I. Artificial Intelligence、2001年のアメリカのSF映画)です。
未来社会の人工知能ロボットに予想外のアクシデントが起きた時に想定される話のように感じてしまいます。人の造るものに完全・完璧はないのですから。

人工知能=AI(artificial intelligence)とは
人の脳の働きである五感からの様々な刺激・現象に瞬時に対応し、勘と同じように予測能力を含め自主性・能動性を人工的に電子化した知能であり、便利で賢い働きをデヴァイスであるロボット・機械などを機能させる中枢部・司令塔の役割を果たす文字通り人の脳の代わりをする回路(ソフト)。
人と同じように瞬時に情報処理する能力が必要とされ初期のコンピュータや電卓など、今では想像を絶する大きさから開発されざるを得ない状況を飛躍的な技術革新によって電子化が加速しAIを可能にするまでにトランジスタなどの半導体を最小化し細密なICを作る技術が発達したおかげで電子化のICチップにプログラムを焼き付けることで可能になったと言えます。

IC(integrated circuit=集積回路)に始まりLSI(large scale integrated circuit=大規模集積回路)などの半導体を密集させた超小型回路(サーキット)。
トランジスタの技術からIC化したことでコンピュータ並みのマイクロプロセッサ、VLSIが開発され、さらに電子情報の圧縮技術の進化で情報量の増大に対応したULSI、GSIなど情報処理能力の増大に反比例しサイズはどんどん小型化され、近年話題の「京(KEI=けい)」のように1秒間の情報処理能力が、億の1万倍の兆、兆の一万倍の京となり人の脳の情報処理能力を超えたと言われるようにまでなっています。(興味があればウィキペディア「集積回路」参照)

人型ロボットPepper
ペッパーは「感情エンジン」と「クラウドAI」を搭載した世界初の感情認識パーソナルロボット(ウィキペディアより)と言われテレビなどにも多く登場しています。
ヒト型ロボット以外にもAIロボット、デヴァイスは花盛り
3月1日から試験運転が開始された自動運転タクシー、2020年の東京オリンピックには東京の街を無人タクシーが往来する未来予想図が話題です。

「お役に立てて幸いです」、映画『アンドリューNDR114』(原題:Bicentennial Man)今は亡きロビン・ウイリアムス(2014年没)が演じたヒト型召使いロボットが発するセリフ(対訳)にロボットと人であることの違いが物語が進行するつれフェードアウト(薄れていく)していく印象をもたされました。
 オニではなく人と共存し人以上にヒトの理想に近づいたアンドリューに現実になりつつある人型ロボットの理想形を見た氣がし原作者のアイザック・アシモフのロボットに対する「思い」、『ロボット憲章』を貫かねばらなぬというメッセージに人工知能搭載ロボットの未来を感じ取りました。












 

『ターミネーター』原題: The Terminator)は、1984年のアメリカとイギリスの合作映画。ウィキペディアより



 

斜文字「ロボット工学三原則」ウィキペディアより
























 


『A.I.』(エー・アイ、A.I. Artificial Intelligence)は2001年のアメリカのSF映画ウィキペディアより


 



















 


アンドリューNDR114』(原題:Bicentennial Man)は1999年に公開されたアメリカのSF 映画。クリス・コロンバス監督作品。原題はアイザック・アシモフの原作通り『バイ センテニアル・マン』(The Bicentennial