NUDNimageNUDNとはimageID/PD分野についてimageお問い合わせ

image
partitionホームpartition芸術学部情報partitionデザイン学科情報partition学生作品partition卒業生作品partitionリンク集partitionメールマガジンpartition
image

コラム「創造力の根っこ」VoL.79 (02/11/2015)

色と言葉」  
                                  
鈴木淳平

言葉の前に色は存在し、ヒトは色に言葉を当てはめました
同じ色を理解する前に地域や民族によって異なる言葉を学ぶのが現実です
眼で読む言葉の情報量より、眼で見る画像や映像の情報取得量が多いい色
インターネットで本来の眼の機能が活かされる一方、色を主体にした画像や映像によって言葉を超えた共通認識や、つながりが色を含めて生まれています


『限りなく透明に近いブルー』
想像力をかきたてるタイトルの表現に驚き、限りなく透明に近いブルーの色を脳内で再現すると青色をイメージしどんどん白色を足しながら青を白に近づけ、あるいは青色を透かすように薄めながら透明に近いブルーにしなります、実際に絵の具や発光体のパソコンで表現しようとしたら、どの辺で透明に近いブルー・青とするか、どの辺で妥協するのか人によって差は出るものの、楽しい想像をさせてくれる興味深い題名です。
信号機の青
かつて小学校の校庭で交通ルールを近隣の警察官を招き、手を挙げて横断歩道を渡る指導や信号機の青・黄・赤の色とそのルールを覚えさせられました。
信号機の青・黄・赤の誰がみても緑あるいは青緑色を青色という、日本では青々と茂る、青野菜などの表現のように、緑色に見えても「青」と表現する昔ながらの伝統が信号の緑色を青信号と法律でも定められていると教えられました。
 同じころテレビで海外ものの人形劇を鑑賞しドラマの中ではS・I・G(エス・アイ・ジーSignal is green=シグナル・イス・グリーン)と出動命令に任務遂行の応答と出陣の映像記憶や掛け声が耳に残っていました。
サインや信号を海外では緑(グリーン)、日本では青と当時は深く掘り下げることもなく、ただ覚えるだけの単純な記憶として残っています。
限りなく白に近い桜の花びら
冬に向かう街で、「また来年、サクラが咲くのを見れたらいいなぁ」と日本社会の高齢化を浮き彫りにする言葉を耳にすることがあります。日本人の心を湧かし春を感じさせる桜、満開から散り急ぐようにサクラの花びらがそよ風に舞い視線を横切ったり、手の平にひらひらと落ちてくる桜の花びらを受け止め見入れば、その色をどう表現するか、言葉では「限りなく白に近い桜の花びら色」になりますが、実際に絵具やパソコンなどの発光体で表現しようとするとコントラスト(明暗)の対比で表現する方法を選択したくなりそうです。
IROJITEN
バブルの絶頂期にあった1988年に発売されたIROJITEN(色辞典)はセンセーショナルでした。日本人の美意識が生み出した〈そこはかとなさ〉がそのまま色鉛筆で表現されているような色鉛筆に付けられた名前からもうかがい知ることができます。薄紅(うすくれない)色、薄浅葱(うすあさぎ)色、美女桜(びじょざくら)に桜色などなど、実際の色と色名(しきめい)がシンクロして見事な商品名と単品の命名に驚かされました。
IROJITENをもってしても〈限りなく白に近い桜の花びら〉色の表現は困難を極めるはずです。筆圧や塗り重ね、あるいは濃度を調整しながら間隔をあけて〈白の間〉を活かす水彩技法など、様々な技法をもってしても実際に眼にみえた〈かぎりなく白に近い桜の花びら〉色の表現は脳内で分かっていても、また個人差はあるものの満足のいく色はなかなか出せそうにないと感じます。
色名(しきめい)
人類が大自然から学んだ色を世界共通の認識にするには、客観的に同じ色でも世界の地域、民族によってそれぞれの表現する言葉での色名が生まれ言語の壁を乗り越えなければなりません。数百万色に及ぶ色のデジタル化が進み客観的な色とその色名の存在価値が新たな段階に入っています。
色名の前に色があり一目瞭然の世界がネットで広がりを魅せています。

SNS(ソーシャル・ネットワーキング・システム)に変化の兆しが
現代社会のSNSの世界で起きている文字情報・共通言語化よりも画像情報共有化のインスタグラム(Instagram)が人氣と利用率が勝っているというデータが米国の米国内の調査で出たそうです。
インスタグラム(Instagram)とLINE・Facebook
2010年開発元FacebookからInstagram(インスタグラム)のサービスが開始された無料の画像共有ソフトウェアです。デジタル撮影後、画像処理し、同サービスや、Facebook、Twitter、などのSNSで共有できる仕組みです。
文字チャットのLINE流行りの日本でも知る人も多く、おなじみになりつつあるものの一部投稿者の匿名性などの問題を指摘する人もいて芸能人やセレブの投稿画像を見る側に留まる人が今の日本では多いようです。
それでもLINE,Facebook、Twitterなどの文字情報のやり取りよりも言葉の壁を越え全世界的に共有者が増え始める氣がしてきます。
LINE,Facebook,Twitterなどの文字情報共有化から、画像・映像情報などを主体にしたYouTubeが世界的になり、さらにより身近に手ごろにスマホなどで画像の共有化が進化し続けています。色とりどりの景色や被写体の画像を撮りこめるスマホ搭載デジタルカメラの飛躍的な画素数の情報処理能力が画像再現・色彩再現を可能にしたことが大きな要因と言えそうです。

「最初に言葉あり」以前の環境に還(かえ)ることを意味しているのでしょうか?色を文字情報にする時代から色画像をパソコンやスマホで観る時代に入ったと言えます。色を言葉で共有する時代から、より情報量の多いメガ情報処理のできるヒトの脳に直結した時代に入った兆しを示唆していることになるのかもしれません。
色の実体に対する疑問は以前残ったままでも…











 

『限りなく透明に近いブルー』は、
村上龍の小説。1976年に、第75回芥川賞を受賞




 

『キャプテン・スカーレット(原題:Captain Scarlet and The Mysterons)』は、1967年にイギリスのジェリー・アンダーソン率いるセンチュリー21プロダクションが製作し、ITCが配給したSF特撮人形劇番組である。全32話。
ウィキペディアより










 

『IROJITEN』 は文具メーカーのTOMBO(とんぼ)から1988年に発売された色鉛筆シリーズ。30色のセットを3種類90色の書籍風になっているセット。











 

「インスタグラム(Instagram)が人気…」米国投資会社の調査で米国の10代の若者に対し最も重要なSNSはの問いに対する答え。
10月27日8:02AM TOUKYO MX1「モーニングCROSS」より放送

 

Instagram(インスタグラム)は、無料の画像共有、デジタル画像を撮影し、画像編集(フィルター)をし、同サービスあるいは、Facebook、Twitter、foursquare、Tumblr、Flickr、ポスタラス(英語版)といった他のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で共有する[1]。
ウィキペディア抜粋より