NUDNimageNUDNとはimageID/PD分野についてimageお問い合わせ

image
partitionホームpartition芸術学部情報partitionデザイン学科情報partition学生作品partition卒業生作品partitionリンク集partitionメールマガジンpartition
image

コラム「創造力の根っこ」VoL.77 (11/09/2015)

色・モノクローム2(monochrome白黒色)」  
                                  
鈴木淳平

「カラスは白い」?、質問されたり聞いたりしたことはありますか? モノクローム、白黒両方の色で語られるカラスのイメージ、 カラスのエピソードから、シロクロ・良し悪しの観念と結びつけられやすい、 モノクロームの世界を浮き彫りにします

明け方のゴミ収集所などで堂々と食するものを物色し荒らしまわる黒いカラス 鳥の中でも知能が優れているといわている黒いカラス 何故「カラスは白い」という命題が問われるようになったのでしょうか カラスは、その黒さから嫌われ者になったのか? あるいは、白さから縁起の良い、天や神の使いだったのか? 白黒ハッキリさせたい衝動にかられ、カラスにまつわるエピソードとともに、 色と観念との相関関係、意味性をカラスのようについばみます。

カラスからのメッセージなのか?
「♪カラスが鳴くから帰ろ〜♪」 夕暮れ時に聞こえてくるカラスの歌声、ねぐらに帰る時に鳴くのがカラスの習性らしいと言われていることから歌詞になったのではという説。 「アホーアホー」とカラスが人間社会を覗き見し、人間の愚かさを、嘆きつつ嘲け笑っているのではという説も感じられます。 身近に存在し自然界を感じさせるカラスの鳴き声が擬人化のように日本語に聞きとれるのでカラスのメッセージに想えてしまったのでは。

カラス賛歌
アメリカン・フットボール(NFL)でチームマスコットが3羽のワタリガラスで、米国、ボルチモアにゆかりのある推理小説で有名な作家エドガー・アラン・ポーの「ザ・レイヴン(大鴉)」から命名されたと言われ、王者決定戦のスーパーボールで2回勝利したことのある名門ボルチモア・レイブンズ(Baltimore Ravens)。 レイヴンはカラスです。チームカラーは黒ではなくパープルです。実際のカラスが黒から紫色がかった美しいグラデーションに見えるのを彷彿とさせます。 カラスは悪者ではなく勇者の印のような存在なのがカラスをリスペクトしているように感じさせます。

神聖なるカラス サッカーのJリーグ(JFA:公益財団法人日本サッカー協会)の旗シンボルマークや日本代表エンブレムの意匠として用いられている八咫烏(やたがらす)として知られ、中国や朝鮮の伝承の鳥「三足烏(さんそくう)」と同一視されている、とウィキペディアにあります。 数年前、NHKで韓国歴史ドラマ『チュモン』が放送され、ドラマの時代設定は紀元前2世紀ころから始まり韓国が中国から独立する内容で主人公チュモンが掲げる旗が「三足カラス(さんぞくからす)」として描かれているのを憶い出します。 またTOKYO−MXテレビで現在放送されている歴史ドラマ『三国志』にも呉の武将の肩辺りに「三足カラス(さんぞくからす)」が図案化され描かれていました。 日本の八咫烏(やたがらす)が初めて登場した時代、韓国の『チュモン』の紀元前2世紀、『三国志』の紀元3世紀頃、これらは一例ですけど西暦で並べてみるのも勉強になり、と同時に国際的な歴史感覚が養われそうです。

映画『カラーパープル」(1986年日本公開)、第58回アカデミー賞で、作品賞を含む10部門で候補にあがったことでも知られ意外(シリアスな内容)にも監督は、『ET』などの大ヒットを飛ばしたスティーヴン・スピルバーグです。 この映画の中にもカラスが天からの啓示を届けるようなメッセンジャーのような存在として象徴的に映像化されていたなと記憶してます。 古今東西でカラスは、色に似合わず縁起の良い象徴として図案化や伝承されていることが分かります。

白いカラス
ネットで「カラスは白い」を検索すれば、現代社会の生々しく押しつけがましい、あるいは試されている、問いかけを超えた不条理な理不尽な言葉として使用されているのが目に留まります。中でも政治の中心地、永田町で上下関係をも垣間見れるのが、「カラスは白い!」と、同調させられ絶対服従を迫られる組織や環境が今も日本社会の一部に存在していることが分かってきます。そんな発言をする環境と組織を受け入れることができるでしょうか?

検索を「藤田田 カラスは白い」にすると本来の意味性を発見できます。
前述した日本マクドナルドの創始者故藤田田の著作『ユダヤ商法』に紹介された「カラスは白い」。ここに本来の「カラスは白い」の起源があると想います。 「カラスは白い」と説明できるかが問われています。(記憶が定かでありませんが答えは掲載されていなかったと…)。結果、「カラスは白い」と、説得力溢れる説明ができ、聞き手を納得させられたならビジネスにおいて成功へのチャンスを手にすることができる、というような内容だったと記憶しています。

「カラスは白かった」が答えに想えます。
身近な知り合いに、どうして「カラスは白い」と言われたか?と質問したら、「昔、カラスは天使と同じような存在で、神の使いだったが、悪いことをし神の怒りをかい白かった姿を黒に変えられたので、黒くなる前は、「カラスは白い」が正しいいのです」、とい言われ今までで一番納得がいき、説得された答えでした。 「カラスは白い」の答えは、「カラスは白かった」という、黒いカラスが結果で「白いカラス」が前提の後先、真逆の物語が答えに想えます。





 

 














 

カラス:crow= カラス
Raven=ワタリガラス、大がらす

 ヴィジュアル資料=JFA:公益財団法人日本サッカー協会の公式ホームページより 左記記述、JFAと八咫烏(やたがらす、やたのからす)ウィキペディアより抜粋