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コラム「創造力の根っこ」VoL.70 (01/02/2015)

「見る力」を向上させるアプリ「科学力」          鈴木淳平

「科学力」が三つ目の「見る力」を向上させるウェアラブル・アプリです。
科学力は、好奇心と探求心から何が問題であるか、問題意識から生まれます。科学力は、問題解決案を仮説として実証を繰り返す統計から答えを得ます。
科学力は、幸福をもたらすも不幸をもたらすも扱う人次第、人間の良識と良心に基づいて幸福を追求するのみ活かせるものでなければなりません。

仕事を科学する
仕事を科学することは、情報の共有や共通言語化に等しく、理解と説得力を持たせたり暗示にかける万能な〈魔法のツール〉に感じさせます。
〈魔法のツール〉の骨組みはもっとも数値化しやすい統計学で成り立っています。
出生人口分布グラフ、限られたサンプル数のアンケート集計なども統計学です。特にスポーツ・競技は、選手やチームの成績を数値化し表やグラフ化したスタッツ(統計=statistics)がテレビ画面に映し出され科学力の分かりやすい例です。
プレゼンテーションに統計学の数値化されたデータを埋め込んだり、Q&Aに明解な数字データを載せるなど、科学の代表である数字は、理解と説得力をもたせ、納得を引き出す瞬間を演出する〈魔法のツール〉に想えるてくるのです。
話題のビッグデータは、人々の年齢性別、動きや嗜好、時間的傾向など、読み取れる情報の多さに可能性を期待させる電子化された数字の統計だからです。

数字はウソをつかない
買い物の値段とレシートとの金額比較や、貯金通帳の印字、設計図の寸法、見積書の数字や、事業計画書の係数など、日々様々に数字を目の前にし、「もしかしたら間違っているかもしれない」と疑ったことはあるでしょうか。
ほとんどの人が「数字はウソをつかない」と想っているはずです。
数字はウソをつかないかわりに数字が間違っている場合もあるのです。
機械の不具合や人が故意に操作した場合の間違いはまれで、数少ない間違いの原因は扱う人による偶発的な単純ミスで数字が印字されるケースです。数字を確認する側の問題意識により間違いを発見・指摘できるのは、初歩的な「見る力」からだと思います。印字された単純ポカミス数字に違和感を与え間違いを自ら浮き彫りにすることから、「数字はウソをつけない」とも言えそうです。
プロほど数字の間違いを自然に発見する
〈人を信用しない〉、〈人が扱うものだから必ず間違いがあるはず〉など猜疑心の塊のような人びなってほしいという話ではありません。
各分野で実績を積みプロといわれるような人ほど、時と場合が重なり偶然のように目の前の間違った数字を発見してしまう、間違った数字が飛び込んでくる不思議を経験するものです。日々「見る力」を養い意識する習慣をウェアラブルしたことで間違いを発見する能力が備わり経験するようになるのは、科学力の大切さをあらためて再認識させられ必要性を感じる段階にいるプロだからです。
数字のデジタルと数字とを結んだ線のアナログ
数字はほかの数字と対比してこそ意味があり、単独の数字だけでは問題も問題解決の糸口も見い出しにくいものです。問題意識によってデジタル数字を読み解き、問題を発見し解決するには、並べられたデジタルな数字を脳内で、数字とを結んだ単純な稜線を山の線画にする図形化・ヴィジュアライズすることで五感の感覚を情報化する脳のアナログな「見る力」が可能にしていると思います。
プロは科学的に仕事をする
「科学的に仕事をする」ことに満足と誇りをもつことがプロの証だと自負する人が増えています。日々の仕事の経験を積み重ねた各業界のプロは、成功経験に加え科学的見地を根拠とすることで仕事に説得力と正確性をもたすことができるようになります。それぞれの業界で経験を積み成功と実績を重ねれば重ねるほど〈自分の仕事を科学する〉ことで効率を上げることができようになるからです。
「記憶力」「集中力」「科学力」の三つのウェアラブル・アプリを身に着け「見る力」を活用出来るのがプロであり問題解決を科学的に遂行する力の源なのです。

科学は万能なのか
科学偏重の傾向が続く21世紀科学は扱う人間の運用・利用の仕方で結果が正反対に変わる良い面悪い面の両面があります。科学は人の幸福を追及する良い面の道具・ツールとして運用・利用が許されるものでなければなりません。
すべての学問が〈科学する〉時代であると前世紀から言われながら、ヒト一人に関するすべてを解き明かせていないのも科学の現状です。ヒトの脳がもつと言われている特殊能力の解明はされないままで、あるいは永遠に解き明かせない神秘の能力として未解決のままになるのか科学は未だ答えていません。(科学で答えを出せないものもありそうです)
科学・理屈を超える
日々精進を重ね、仕事を通し己のおごりを正し、仕事の奥深さや自然への畏敬(いけい)の念を抱くようになるのがプロの中のプロです。科学を超えたところに真の合理性を見いだすようになります。科学を超え理屈では語れないと氣づく不可思議な現象をウェアラブル・アプリの「科学力」を身に着け「見る力」を向上させ遣いこなすことで経験するようになります。
直感や勘を含めた偶然の一致、導かれている、引き寄せ、などの非科学
実証科学の〈見る力による仮説〉をたてその後の実験結果の現象データがその仮説者の意思を尊重したように仮説を裏付ける数字データになる経験を多くの科学者は経験しているようです。古典科学では語れない直感や勘を含めた偶然の一致、導かれている、引き寄せ、などとしか言いようのない不可思議な世界が見えてきた時にプロアマ問わず「見る力」を培った人が味わえる本物であり科学を超えた〈何か〉を手に入れたことになるのかもしれません。
「思うことは実現できる」と多くの先人が言っていることが当てはまります。