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コラム「創造力の根っこ」VoL.68 (01/12/2014)

「見る力」を向上させるアプリ「記憶力」2           鈴木淳平

 アイディアは、記憶と新たな五感からの経験情報をすり合わせ相似や相違点から問題意識を芽生えさせ情報のミックスから発生・ひらめくと想います。
「記憶力」は、能動的な「見る力」を向上させ、エネルギーである記憶を融合し、アイディアに変換・醸成しながら問題解決の突破口を開きます。

いつでもどこでも欲しい記憶を、瞬時に引き出せ再生できたら、発想やアイディアを豊かに出せ、自身がめざましいと思えるほど進歩しているはずではと想えますが、どうしてかなかなか思い通りにならないのが記憶です。
記憶の扉
記憶を扉の向こう(記憶細胞?)に仕舞い込み、時をへて閉ざしたまま憶い出したい記憶が今欲しいというのに扉を開くことができない。
カギをかけた覚えはないのにカギがなかったり、カギのヒントを関連付けていながら、その答えも忘れていたり、憶い出そうとした記憶を憶い出せない歯がゆさ、もどかしさはただ自身の脳にあきれるほかありません。
脳の働きに似せたパソコンやネットでIDやパスワードを忘れた時、ヒントとその答えも忘れ、てこずり困った経験とよく似た事象が同じように脳内でも起こります。
記憶の引き出し
物知りや博学と言われる人、話し上手や饒舌(じょうぜつ)に語る人の多くは脳の〈記憶の引き出し〉が人より多いのかもしれません。その引き出しにしまった記憶のいくつかを憶い出せない時、「引き出しがサビ付いたか、クモの巣が張ってしまい…」と話を乱す悔しさを自らのボキャブラリーでしのいでみせるなど人様々。ヒトの脳のキャパシティ〔capacity:容量・収容力・能力〕は、ほぼ無限と言われています。普通の人の一生で脳を最大限に活用出来てもせいぜい20%程度だと記憶していますが、遣われない脳の部分のほうが多いので無限としました。
パソコンのハードディスクのメモリーのキャパシティもマックス60%から70%程度に抑えないとフリーズや処理能力が低下すると言われているのもうなずけます。
一生遣われない脳の部分に未知の能力が隠されているという説もあります。
パソコンでは見れそうにないデジャヴは人だけの脳で可能なのかもしれません。
「考えています」
即答を好むビジネスや職場環境で多く見かける会話風景で、質問の答えや意見を求められ、とっさに出てくる便宜的な言葉、「考えています」。
「考えています」は都合の良い常套句で、その場しのぎとしては答える側の自尊心をクスグリ、答えを求めている側に配慮したように聞こえます。
脳の中がどのように動き、働いているか理解しないで遣う言葉の代表のように感じます。脳は感じたものを記憶し、駄洒落か連想ゲームのような連鎖反応から質問の答えや意見を導き出していそうです。時間をかけて答えを出す一般的な言葉の〈熟慮(じゅくりょ)〉に〈考〉を遣わず〈思〉の入った〈慮〉を遣うことで、脳の働きを漢字として表した思いを感じさせます。(熟考(じゅっこう)もありますけど…)
記憶はエネルギー
五感からすべては始まりその刺激情報を脳内保存した状態が記憶であり、外部エネルギーを得たことになります。おいしい食べ物を食べその食物のエネルギーをパワーに変換し体力や身体を成長させるのと同じです。五感を通して外部からの刺激情報が記憶されることは、人として精神を成長させたり心を豊かにするエネルギーを得たことを意味しています。記憶はエネルギーといえます。
五感を通した外部刺激に〈感動〉したり〈興奮〉したりする体験が、脳内で新たな〈発見〉を導いたり発想・アイディアに変化・醸成させる源(みなもと)です。
〈記憶細胞〉は物理的に脳内の細胞にあるとは言えないとしました。脳内で複数の波動の唸りで再生される〈記憶の断片〉と重ね照らし合わせながら記憶は蘇り再生され認識される、その作業・現象を繰り返す力が「記憶力」だと想います。

氣功には外呼吸と内呼吸がある  「…息を吸って肺におさめ、それをまた吐き出すのが「外呼吸」(肺呼吸)であり、肺に入った酸素を血管にのせて、全身に送り、生じた炭酸ガスを肺まで運び返すのを「内呼吸」という。氣の呼吸法では外呼吸と内呼吸が正しく行われるばかりか、全身がリラックスしているから、皮膚呼吸も正常に行われる。全身呼吸といっていいだろう。」(引用欄外参照)
 外部情報を受動的な〈見えている〉だけの模様眺めから能動的な〈見ようとする〉、〈見る〉に自己改革し、外呼吸と内呼吸を正常に行う氣功と同じで脳内の記憶を外、内に循環させるように正常に迅速に引き出せる力が、記憶力と思います。刹那に欲しい記憶情報を欲しいときに引っ張り出せるのが記憶力の〈力〉、パワー、エネルギーである氣功の〈氣〉だと感じます。
氣はエネルギーで〈記憶力〉が向上し「見る力」を際立てる 
気と氣の〈意〉はまさに正反対。×を遣った気は行き止まりで発展性がなく、エネルギーの粒を表す米を遣った氣は無限のパワーを感じさせます。五感を通して目に見えない粒の外部エネルギーである氣を取り入れ、内部で必要な力に変換する化学変化の原動力を漢字にしたのが〈氣〉です。
〈氣〉はエネルギーそのもので「見る力」を際立てる役目をも果たしています。
記憶もエネルギー
〈その氣〉になり能動的な「見る力」を向上させ、五感から得た刺激情報や感動体験もエネルギーであるならば脳内保存した記憶もエネルギーです。
エネルギー・パワー・力、どれも氣であり記憶も氣なのです。
「記憶力」とは、〈氣を憶い出す力〉の「氣憶力」だと新たな表現ができます。
氣憶力
目に見えない粒のエネルギーの氣がそれぞれの〈氣でできた記憶の断片〉を氣憶力によって化学変化させることで、新たなアイディアがひらめくと感じさせます。
「見る力」を向上させるアプリ「記憶力」は、氣憶力となり「見る力」を向上させ、発想・アイディアがヒラメキ、創造へ導いていると感じます。

 












 

 

 

 




















 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



P258、「「氣」の威力」、藤平光一著、講談社刊、1990年4月20日第1刷発行より