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コラム「創造力の根っこ」VoL.66 (02/10/2014)

「見る力」を向上させるアプリ                   鈴木淳平

 「見る力」は、認識力と経験量によって人それぞれに差がつきます。
 記憶容量や演算処理能力は、国際チェス大会や将棋でも人工知能が勝るようになりました。人工知能との決定的な差は、ヒトの脳の「見る力」から化学変化する第六感にあります。「見る力」を向上させるアプリとは?
「見る力」に大きく影響し向上させる三つのアプリをウェアラブルさせましょう。

商品化への「見る力」三原則の変化
「見る力」三原則の〈長期的に見る眼〉、〈多角的に見る眼〉、〈本質を見る眼〉をやや乱暴かもしれませんが相似形的に拡大解釈すると以下の3要素が商品を市場導入する企画開発段階から商品化と同時に進行する告知宣伝などで作業工程の中に多くの企業・会社が取り入れ検討している三原則があります。
PSD三原則(勝手に名づけました)
ポジショニング〔positioning〕位置づけ
セグメンテーション〔segmentation〕細分化、市場を類別、区分、分割
ディファレンシェーション〔differentiation〕相違点、区別、細分化、多様化
市場での自社商品の位置づけ・ポジショニングをする時に、市場区分・市場細分化・セグメンテーションと他社競合との相違点・区別・ディファレンシェーションを明確にすることで商品の優位性を客観視する科学的手法として活用されています。特に競争の激しい、技術的に差が出にくい白物家電などが代表例で、冷蔵庫を新商品導入するときなどの「こんな冷蔵庫があったらイイな、売れると想う」案だしのブレーンストーミングで、〔「氷が足りなくなりそうです」などとしゃべる冷蔵庫〕が一例です。
「見る力」三原則の〈長期的に見る眼〉・〈多角的に見る眼〉・〈本質を見る眼〉、それぞれをポジショニング・セグメンテーション・ディファレンシェーションのどれが当てはまるか微妙に感じるかもしれませんがそれぞれが重なり合い錯綜(さくそう)しているからこそ「見る力」三原則に相似していると感じます。
さらに掘り下げれば前述の弁証法(テーゼ・アンチテーゼ・ジンテーゼ)、易の三儀(易・不易・発展進歩)や音楽の三要素(リズム・メロディ・ハーモニー)とも相似していると想えてきます。

 「見る力」を心がけ相似形のほかの姿を追い求める視線の先に、地上を離れ空高く地球を俯瞰(ふかん)する技術の粋を結集した人工衛星「だいち2号」が映ってきて、「晴れない日でも遠くが見える、だいち2号」も相似してきます。
「だいち2号」が魅せる「見る力」
今年打ち上げられた日本の「だいち2号」の観測能力は「見る力」そのもの。
初代「だいち」の活躍は日本だけにとどまらず、地球上の最大酸素供給元といわれている南米、アマゾン川の密林地帯を違法森林伐採による森林破壊の監視にも活躍した実績をもち、今年の「だいち2号」はそれをさらにヴァージョンアップさせた人工衛星と言われています。
その能力をウィキペディアよりダイジェストすれば、分解能1mx3m、地震による地殻変動を2センチの精度で計測、小型赤外線カメラで夜間でも画像化、海上の船舶識別、など〈超すぐれもの〉なのです。
だいち2号を「見る力」三原則の〈長期的に見る眼〉、〈多角的に見る眼〉、〈本質を見る眼〉に当てはめれば、地球の周回軌道上で地上を常に観測する〈長期的に見る眼〉、複数の装置による〈多角的に見る眼〉、夜間の暗闇でも小型赤外線カメラで〈本質を見る眼〉と相似し、「見る力」三原則を回帰させるPSD三原則のポジショニング・セグメンテーション・ディファレンシェーションに当てはめれば、それぞれが補完し合い錯綜して観測できる技術革新の作業工程で活用されたと理解できます。

人類の英知によって造り上げられた人工衛星だいち2号、その最先端技術を可能にしたプロセス段階で遣われたと想われる基本的な手法のPSD三原則と「見る力」三原則は、人の脳を研究し人工的に再現した人工知能をヒントとして想起させパラッドクス(paradox)・逆説的ながら、それぞれの個人が自身の脳に発生させ活用することに応用・発展の可能性を見いだせる2つの三原則です。
そこに「見る力」を向上させる3つのアプリが必然的に芽生え浮かび上がってきます。
一つは「記憶力」、二つ目は「集中力」、三つ目は「科学力」です。

「見る力」三原則の〈長期的に見る眼〉、〈多角的に見る眼〉、〈本質を見る眼〉をスキルである上手にウェアラブル・身につけ自己啓発し日々活用を心がけ実践すれば、「晴れない日でも遠くが見える、だいち2号」と相似する「暗くて見通せない未来に光を当てるが如く、進むべき道筋が浮かび上がる」ことでしょう。

「見る力」の精度を向上させる3つのアプリ〔application ware〕、「記憶力」、「集中力」、「科学力」を発生、活用するには、緊張感や柔軟性をつかいわける自己管理能力とでもいうべき自分磨きや自己啓発を要求されますが、自らの脳に自然発生的に芽生えてくる人がこれから増えてくれればいいなと思います。

 








ウェアラブル(wearable)
身に着ける、ウェアラブル・コンピュータ、スマートフォンなど、身に着ける情報端末として脚光を浴びている単語








 

 

 

 









陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)
2014年5月24日打ち上げ成功、6月12日世界最高速度の地上へのデータ転送能力を証明 wikiより