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コラム「創造力の根っこ」VoL.59 (02/03/2014)

情報端末の究極・想念出力                
                                  鈴木淳平

 脳内にある想念・イメージやアイディア、ヴィジュアルなど複雑にして情報量が膨大な〈絵〉をデジタル化し外部出力できれば、と期待は膨らみます。
ヴィジュアルやデザインなどの〈想念〉をBMIや情報端末あるいはデヴァイスがデジタル化し目の前に具現化することができれば無から有への手間やストレスは解消され世界は一変しそうです。

〈モノ〉への情報処理は目に見えるだけに〈コト〉より目立っています。
〈モノ〉を設計・加工する技術CAD・CAMを含めモノつくりのデジタル化が当たり前の中、3Dプリンターが脚光を浴びています。ネットでデータをダウンロードすれば3Dプリンターで〈モノ〉が造れるサービスも始まっています。
3DFAXの実用化
3Dプリンターで〈モノ〉が具現化できるのならFAX(ファクシミリ)で相手に同じ〈モノ〉を送ることができるはずです。手元の3D装置で〈モノ〉をスキャンして送信すれば相手側の3D装置で同じ〈モノ〉が出力される3Dファックス装置は研究段階から実用化に向けた段階に入ったようです。3Dプリンターとは違って立体にする材料ひとつひとつにマイコンを内蔵した〈クレイトロニクス〉として5年以内に実用化できるとカーネギー・メロン大学のセス・ゴールドシュタイン博士は語っています。(欄外2参照)
ネットやスマホの無言文字会話など現時点での最先端の〈コト〉の情報処理から複雑にして膨大な情報量の想念やイメージ・ヴィジュアルなどを外部出力する技術は世界各地で研究開発が進められているようです。

無言文字会話から想念を共有する時代
 同じ言葉を話していても解釈・受け取り方は様々、言葉のもつ汎用性、受け取り側の都合の良い解釈など誤解とすれ違いが生じる原因でもある言葉より、絵やヴィジュアルを共有する方がはるかに精度の高い仕事なり共通理解、認識が高まるのは事実です。経験では日本で企画した商品を中国で生産するときに言葉よりもヴィジュアルが大きな成果を上げました。だからこそデザインが重要な時代であり、デザインのもととなる脳内の想念を直接取り出すことが実現できたら、と誰しもが夢見て追いかけた結果、そう遠くはない将来に技術革新が進み実用化されると期待できそうです。

想念・イメージやヴィジュアルなど複雑にして情報量が膨大な〈絵〉は、物理的な〈モノ〉の出力よりホログラムを使った仮想立体映像の方が実現は早そうです。
スマホ画面の上にホログラムによる仮想立体画像が観れる日は近そうです。
脳科学の研究が進めば進むほど身近な脳の不思議が露出し始めています。
記憶細胞など無い。感じるアナログな脳の世界をデジタル化するコンピュータの演算能力を競ってみたりしています。「人間の脳が1秒で行う演算は100兆回 コンピュータは2050年までに脳90億個分に匹敵する処理能力を持つと言われています」(欄外2参照)
果たしてコンピュータは、想念やイメージ・ヴィジュアルを自主的に〈ひらめく〉ことができるのでしょうか?詳しい専門家は理論的には可能だというはずです。
人デザイナーは居なくなりコンピュータに変わると感じる人も多いでしょう。
多様化する人類のニーズやシーズ、ニッチなところなどすべてのデザインをコンピュータにやらせるには費用対効果の点からして合理性に欠けます。
アナログの曖昧なところに想念が芽生えるはずだ、が本音です。

想念は記憶の積み重ねから発生
脳内で想念を浮き上がらせるのに必要な、経験を記憶する〈引出し〉や〈記憶細胞〉など、脳のどこにも存在しないと想います。想念に必要な〈記憶〉が脳内でどうやって保たれているのか?未だに解き明かされていない分野です。
経験していない記憶してないことから突然、オリジナルが生まれることは無く、どんな人でも意識しているか、していないかの差だけで想念は経験や記憶の中の複数の合成から発生すると感じます。(「芸術は模倣なり」の解釈の一つ)
記憶細胞が有るのか無いのか、記憶について100年がかりで解明されるだろうと世界的な学者の一人は明言しています。(欄外3参照)
同じように〈想像力の根っこ〉も脳のどこにあるのか明示することは出来ませんが人類の築き上げてきた文明や文化の発展、進歩が続けられている以上、想念や発意は物理的に見えない状態で脳内に存在発生するのです。

記憶は脳内でハレーションを起こしたモアレの中にある(仮説)
BMIは、簡単な言語や記号など信号を感知する能力が現状です。
記憶や想念は幾重ものシナプスとニューロンを微電流が行き来する過程で、周波数の違う波動と波動が複数重なり融合する〈うなり〉だと感じます。写真のハレーションと同じで、その光暈(こううん)の中に記憶が重なり合ってモアレを起こし浮かんできた情報が記憶だと想います。想念は人それぞれが五感を通し経験してきた記憶が煩悩となり、複数の記憶に感動刺激がトッピングされ〈うなり〉となって〈モアレ〉から浮かび上がった瞬間、〈ひらめき〉と感じるのではと想います。

言葉の前に想念・思いあり
脳内の記憶の中から発生し浮かぶ想念は、モアレ状態で〈ひらめき〉、統合された、おぼろげな映像として認識でき、脳内でそのはかとない情報を固定させた後、外部に表現しようと、人に伝達できる言語化プロセスをたどるように思います。〈言葉ありき〉の前の想念を出力を可能にするのは人間の想念からです。

脳内の想念・ヴィジュアルなどの映像を言語化の前に直接外部出力
人間が機械に操られる時代を象徴したリアルタイムなスマホの無言文字会話や顔と顔による映像コミュニケーションなどのデジタル化も、想念などを外部出力する発想・発意、技術は人間だから想いつく想念の一つ創造力があるから出来るのではないでしょうか。
コンピュータの演算能力が人間より優れたとしても人間には想念があるのです。











1)
BMI〈想念〉電子変換と情報端末・創造力の根っこ 57 2014年1月掲載





 

 












2)
未来の科学BEST3』(「見のがせナイト」ザ・ベスト)J:COM、2月25日放送(ディスカバリーチャンネル654ch「SF界の巨匠たち」より)
ベスト2:「ネクストワールド2030年のテクノロジー」より

 

 

 

 

 

 





3)
分子生物学者:ジェームズ・ワトソン(1928年生まれ)の発言要約、『世界の叡智6人が語る』NHKEテレ、2013年7月12日放送より