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コラム「創造力の根っこ」VoL.56

情報処理端末の今後                
                                  鈴木淳平

 通信端末のケイタイ(ガラケー)から情報端末のスマホ(スマートフォン)に主流が移り替わりアプリケーション、ネット利用で情報処理量は飛躍的に拡大しました。使用する人々の情報消化量もオンデマンドで飛躍しているのでしょうか。情報処理量を飛躍させ操作の単純化は、さらに追及されています。

〈親指姫〉と、女子たちが限られた小遣いの中でカラオケに行く代わりにケイタイの10キーパッドを親指ひとつで操る姿を指して言われた時代から、数年でタッチパネル式のスマホに主流が移り、親指ひとつで画面をスリスリ、スクロールさせる光景が電車内、路上などあちらこちらで見かけ迷惑がる人も増えました。
事故や孤立の社会問題にまでなっている情報端末〈ナガラ族〉を解消する課題を抱えながら、さらに高機能と簡易操作が求められています。

ウェアラブルの本来の意味からすると、身に着けることで両手を開放するはずではなかったのかと首をかしげてしまいます。

ウェアラブル情報処理端末への応用が期待できる周辺機器
今後増えそうな各種ウェアラブル情報端末を一人の人が、時と場所と場合の使い分けをせず全部を装着・利用操作したら、20世紀の日本人海外団体旅行者を揶揄した「眼鏡に、首からカメラをぶら下げ誘導旗で団体行動する日本人」と同じような格好をした人々が地球上のあちらこちらであふれることでしょう。
(日本人に限らずすでにハンドヘルド情報端末で検索する数多くの外国人旅行者が東京で迷う情報端末〈ナガラ族〉のグローバル化を身近に感じています)

もっと便利でスマートな工夫が求められ、デザイナーの活躍も期待されます。

すでにウェアラブル電子装置類で武装している一部の米軍海兵隊も実戦配備されています。やはり命に係わる軍事用が早く、続いて医療が必然と感じます。
最先端技術による生体への〈埋め込み型〉がウェアラブルの次に来るといわれていますが、その前に周辺機器からの応用が期待されるいくつかの情報処理端末をみてみます。
〈埋め込み型〉=〈インプラント〉の表現が適すインプラント情報端末はありか?
人工臓器など先端医療で実用化されているインプラント(implant=挿入・移植)。歯科でアゴ骨に土台を埋め込み表面部分に好みの義歯を装着する高額なインプラントは、歯科医能力の差があり技術が安定していないとの報道もあります。
同じく医療で人間の体内に入れるという点ではインプラントに似ている〈飲み込み式〉の〈超小型カメラ内蔵内視鏡カプセル〉などテレビで紹介されていました。
体外への排出が容易であることから簡易的で合理的、一時的な利用方法として情報処理端末への転用も限定的ですが注目されていそうです。
子どもの身体表面内部に位置情報発信チップをインプラントし誘拐対策などのセキュリティ・サービスも実用化されています。コンパニオン(ペット)などでも実用化されています。自然保護活動の一環としてウェアラブルとインプラントの両方の情報処理端末が動物の種類、特性に応じて利用されています。

ホログラム(Hologram)は、立体映像装置として実用化の手前です。ゲームの未来(想像力の根っこ49)で紹介した「…レイア姫がオビ・ワン・ケノービに、ロボットのR2D2を使い、助けを求め密書を録画・再生するシーンでも裸眼3Dのホログラムとして映像化されていました。」この映像やテレビ番組、CMなどもフェイク(fake:模造)のCG表現が多用されているのが現状ではあります。
ハンドヘルド・ホログラム情報処理端末
裸眼で立体画像が観られるホログラムを情報処理端末用にすれば、一例として分身である立体アバターを操作するゲームなどで臨場感あふれるヴァーチャル・リアリティを楽しめそうです。さらなる技術革新に期待し、手のひらサイズのハンドヘルド・ホログラムを完成させることができれば画期的な情報端末の誕生となり多様性に富んだ用途開発が各分野でも進みそうです。
2020年の東京オリンピックくらいまでに実用化されて欲しいものですが、まだ装置は理論的には可能な範囲でも据え置き型試作機の段階のようです。

ウェアラブルの次に注目される情報処理端末機器の必然
身に着けることで両手を開放するはずのウェアラブルの本来の意味と目的を正しく具現化し、迷惑事故などの原因である眼や耳、口、指(手)などの五感利用頻度を減らす脳に直結した装置が究極のインプラントになるかもしれません。

想像力の根っこから芽吹き脳いっぱいに充満する自由な発想、直感を即座に書き写せればと想った人は多いはずです。
脳の中でアイディアや発想は現れては消え、消えては新たに次から次へと湧き出て五感を通して外部に書き残そうと、筆記記録したり、録音したりする途中から消えてしまい残念な思いをした経験のもち主なら誰でも、〈こんなものがあったら!〉と、直接、頭に何かを差し込んで想いついた発想やアイディアを記録できたらいいのに、またデジタルの電子情報としてアイディアやヒントを外部に記録として残すことができたら素晴らしいアイディアで合理的ではと想ったはずです。
すでに研究は進み試作も披露されています。
(つづく)