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コラム「創造力の根っこ」VoL.55

ブルートゥース:BLOUTHOOTHとデザイン                
                                  鈴木淳平

デジタル快適ライフの提案は、デザイナーの領域?電子工学の領域?
マイコンを制した業界が21世紀に生き残り未来を切り拓くとすれば、その業界のデザイナーはどこまでその役割、使命を果たしているのか!ブルートゥースを通してデザインのあり方自体、本質、定義も問われる21世紀。

夢のような未来生活
少年マンガ雑誌で夏休みになると特集が組まれた、夢のような未来生活。
朝起きると自動でカーテンは開き、朝食の目玉焼きやトースト、コーヒーは自動調理され便利で快適な未来生活を描いていた時期は、20世紀の中頃でした。バブル時代の1980年代末あたりには、住居を避暑地の軽井沢辺りにかまえ仕事場に通わなくとも在宅で仕事をこなせる時代が来ると、電話とファックスと電卓があれば仕事ができる、よき時代の夢のような未来生活が描かれていました。
夢のような未来生活がブルートゥースによって誰にでも簡単に手に入る時代が21世紀の恩恵なのかも知れません、そうなりつつあります。

懐かしい糸電話(有線通話機・アナログ)
2つの筒をそれぞれ片方に振動させる薄紙を貼り、中心に糸を通し固定し2つの筒を糸でつないだだけで会話ができる不思議だった遊び道具、簡単な科学の実験でもあり、もっとも原始的な糸電話。片方が口に当て言葉を発すれば送信機(トランスミッター:Transmitter)になり相手が耳元に筒を当てれば受信機(レシーバー:Receiver)になりました。ある程度糸を張りつめた状態であればけっこう遠くても会話(音声:音振動)ができ人とのつながりを実感できた糸電話です。子どもだけでなくお年寄りにも喜ばれ楽しく遊べるコミュニケーション・ツールとして活かされていればと想います。(延長に、一家に1台の固定電話時代)
トランシーバー(Transceiver:無線通話機・電波の波利用のアナログ)
糸の代わりに電波で会話でき1台で送信機(トランスミッター:Transmitter)と受信機(レシーバー:Receiver)を兼ねた正確にはトランスミッター・レシーヴァー、略してトランシーバー(Vの表記をB読みした表現)になり最低2台セットで、ケイタイがないころやケイタイの電波の届かない基地局がない地域で活躍しています。(延長に、1人に1台の無線電話時代)
糸電話・固定電話、トランシーバー・無線電話が通信端末のケイタイになり、インターネット利用や、ブルートゥースで各電子機器をリモコン操作できるのが情報端末のスマホです。(デジタルの進化)

マイコン(デジタル)制御の恩恵
 不便と思えることを自動化する合理性に長けた家電業界が電子工学(デジタル)のマイコンによる制御技術を工夫し実用化することで電子炊飯器は生まれ、アメリカNASA生まれの日本で開花したウォッシュレット、用途に応じた全自動の洗濯機、カラオケなどその恩恵を我々は余すことなく享受しています。
もっとも一般化し普及したのは地上デジタルテレビ(デジタル無線)とPCです。
各種リモコンをブルートゥース利用の、スマホ1台で情報処理
各家庭、各部屋に数台はある各種リモコン(主に赤外線利用)
ケイタイなどでナンバーやアドレス交換時に利用されてもいる赤外線は、各種リ
モコンで利用されています、例を挙げればテレビ、エアコン、DVDビデオデッキ、天井照明LEDシーリングライト、各種オーディオ機器(アンプ、チューナー、CDプレイヤー、etc.)、等々。(複数入るリモコン収納ボックスまで売られています)数々の家電を遠隔操作(制御)=リモート・コントロール(remote control)するリモコンは便利さを追求し快適になった反面それぞれの家電や機器にセットされリモコンがあふれています。(スマホで全部操作できたらと想うはずです
ブルートゥース利用価値(赤外線リモコンに限らず)
外出先から、風呂を沸かし、炊飯器にスイッチを入れ、適正温度のエアコンを作動させ、冷蔵庫のビールの設定本数が減っていれば自動的にネットで発注しマイホームに届き、ソーラーパネル発電でスマートグリッドによって電源を確保し車にも充電ができ不必要な余剰電力は売電ができる。
夢のような未来生活が現実味を帯びた時代になりました。
家電業界、自動車業界を筆頭に技術革新は〈統合〉の時代に向かいスマホやウェアラブル情報端末ひとつでブルートゥースを活用し誰でもが簡単に時代を享受できつつある半面、日本社会で個人が孤立に向かう反比例の現象です。

人間社会全体が、個々人孤立に向かう中、向かわざるを得ない中、電子機器を扱う産業界では21世紀早々に、日本企業の開発チームがブルートゥースのICチップを完成させ家電製品の統合制御の実用化に向け試行錯誤していた時期だったと記憶が蘇ります。東京芝浦の原発も手掛ける日本最大手の総合家電メーカーでブルートゥースのICチップができクライアントから、ブルートゥースの趣旨に則った商品企画提案をオファーされ、〈留守番犬〉の企画を提案しました。〈留守番犬〉企画は、家や部屋でお留守番してくれるコンパニオン〈家族の一員であるペット〉が外出中の主人のケイタイに好みの時間にセキュリティ通信報告をしてくれる商品企画でした。(残念ながら商品化されませんでした)

日本社会がそうであるように各家電商品が商売上の利益優先から独立・孤立展開し1台のリモコンで統合・制御する設計になっていないことにデザイナーは疑問を投げるべきでした。(業界、企業の経営方針でデザイナーの疑問は闇に葬られたのかもしれません)デザイナーは、外装のデコレーションを手掛けることから本質に近い中身を学習し総合的にデザインを心がければ、無駄を省き各種リモコンを1台で操作できるような工夫と創意を活かせたはずです。スマホにイヤホンをつなぎ外部情報を得る耳をふさいで音源、音楽を聴き入り孤立を好む個人消費者が増えたことで、目立たなくなったオーディオ業界では、昔からコンポの各機種を1台のリモコンで操作できるようにしていました。さらにAVのテレビ、ビデオデッキも含め1台のリモコンで操作できるAVコンポなど消費者寄りの利便性を追求し、その延長にテレビとビデオを1台のリモコンで操作できる時代になりました。(1950年代の米国映画・TVドラマではTVリモコンが写っています)
ブルートゥースは、AVコンポやTVとビデオに加え、あらゆる家電製品、電化生活用品にICチップの受信機(レシーバー:Receiver)を搭載しネットにつながった状態にすればスマホ1台で外出先からコントロールが可能となり快適生活を実現できるシステムです。

家電機器を統合・操作する企画をデザイナーは発案できなかったのでしょうか。
デザインは、アイディアを具現化することであり、アイディアの本質は企画にあり電子工学含め〈異才能集団〉によるグループワークで成立する時代です。
古くから少年マンガ雑誌で魅せていた夢のような未来生活は、まさしくデザイナーの仕事です。問われるのはオリジナリティ(originality独創性・創意)です。
デザインの本質には、商品にとどまらず人生設計を含むアイディアを具現化するクリエイティヴィティ(creativity創意)が必要であるのは言うまでもありません。

五感を通して外部情報に感動し疑問を感じ、業界慣習にとらわれず、頭の中で想像力の根っこを刺激し、イマジネーションをわかせ夢を語り、ヴィジュアル化で共通言語し、既存の技術に照らし合わせ、無いのなら技術革新を即し促す役割を担うのが本来のデザイナーの仕事ではないでしょうか。
デザイナーは経営に一番近い存在でもあるのです。
デザインの本質、定義を再認識し、人々が孤立する日本社会を問い正し、分断している産業界のそれぞれの努力と工夫を結集、統合する重要性を理解し実践するのがデザイナーの役割であり、使命を果たせる今、だと感じます。
(熱く語りました)










ブルートゥース((BLOUTHOOTH)
詳しくはネット検索で自身の知識に
してください。
ブルートゥースは見えないところ
至るところで活躍し始めています