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コラム「創造力の根っこ」VoL.53

スーパープレゼンテーション TEDが iTEDに?                
                                  鈴木淳平

 人前でのプレゼンが苦手、英語でプレゼンするなんて!!と悩む前に、グローバル化の国際社会で活躍する機会が飛躍的に多くなった現在、不可欠なプレゼン・テクニックを学べるTEDに注目。
世界的に著名な各スピーカーから学べることは…

「Hay ! I'm JOI Itoこんにちは伊藤穣一です…」で始まるNHKE(教育テレビ)の『スーパープレゼンテーション:TED』が放送開始から1年が経ちました。

 日本の高校生がTEDを参考に学内でスーパープレゼンテーションを開催するなどTED熱は高まっているように感じられます。
昨年、放送開始のナレーションでは、「驚きの発想とプレゼンの極意を英語で学ぶ」とアナウンスされ世界共通言語化している英語のプレゼンテーションを楽しむこともでき、日本人が不得意とする人前で話す、さらに英語で話す、の両方を克服できるようにとNHKが取り計らった番組と思います。
 TEDとは、Technology、Entertainment、Designの頭文字から名付けられ、米国カルフィルニア州ロングビーチで年に1回開催される、プレゼンイベント、テッド【TED】カンファレンスです。世界から集まったスピーカーが自らのアイディアをプレゼンします。このイベントを会場で観るためには、$7,500($1=¥100換算で75万円)という高額の参加費を払う必要があり、そのため客席には企業のCEOや投資家たちが、ずらり。イベントの終了後、プレゼン映像は動画ネットで無料公開されるので一般の人が世界中で観られるようになりました。
1984年、「有名人と偉い人たちが集まってやった、サロン的集まりとして発足」
2006年、ネットで無料動画配信を開始、誰もが観ることができ世界的に広まる。
2012年、NHKEで伊藤穣一をナビゲーターに1200本もあるTEDのプレゼンテーションの中から特に人気の高いプレゼンを選び字幕付きで放送開始。

「変化が目まぐるしく、先の見通しがたてにくい、不確実で混とんとした時代
今を生き抜くためには常識を覆すイノヴェーションが不可欠だと言われます
そんな中、世界中の熱い視線を集める一人の日本人がいます
伊藤穣一さん46歳、愛称:JOI世界最先端の研究所の所長に抜擢されました」
「この予測不可能な時代では、柔軟性こそが成功のカギです」
伊藤さんが所長を務めるのがアメリカ、マサチューセッツ工科大学、メディアラボ
いまや当たり前になっている、インターネットのLANシステムや、電子書籍の文字表示、ストリートビューなど世界を変える技術を生み出してきたイノヴェーションの殿堂です。その新しいリーダーとなった伊藤さんは、どうやってイノヴェーションを生み出そうとしているのか?
「一番何が必要かというと、クリエイティヴィティで、自分の固まった考え方を壊すために、違う世界につないでいく」、と大学は中退、ナイトクラブのDJで生計を立てたり、借金まみれになったりの形破りなキャリアをもつ伊藤穣一は、日本のインターネット・ビジネスをリードする人物で、海外メディアで世界の思想家100人に選ばれ世界の研究者200人の候補者から上記のように役割を明確にし、MITメディアラボ所長に就任できた理由として紹介されていました。

人前で話すのが苦手な人も【段取り】で決まるプレゼン
プレゼンは、どれくらい用意周到に客観的な説得力のあるデータ・資料をタイミングよく準備できるかにあり、勿論Q&Aの想定質問も事前に想定外がないようにしなければなりません。段取りが悪ければプレゼンに臨んでも緊張感を和らげられずまずい結果を招きます。プレゼンまでのデータ・資料集めリハーサルなどの段取りがプレゼンを成功させるカギで、それは湖面に優雅に浮かぶ白鳥が水面下では足をばたつかせながら姿勢を保つことと似てプレゼン中に焦りや、ばたつきは良い結果をもたらしません。その根幹をなすものは、アイディアです。
【idea】がプレゼンターの支え
多くの聞き手に訴えたい事柄は何か?持ち帰ってもらいたいものは何か?
結論は、スピーカー(プレゼンター)がプレゼンするアイディアです。
聞き魅入る観衆・参加者に認識・理解、説得力となるデータ・資料を開示しながら抑揚の強弱を付けて調子よくプレゼンできるか、そのカギはスピーカー自身のアイディアにあります。時にはジョークも交えアイディアを披露し段取りよくプレゼンをするからこそ聞く耳をもつ観衆から賛同を得られるのです。
プレゼンはアイディアがあるからこそでアイディアの無いプレゼンは、事実列挙で過去形を扱う報告会並の眠くなるような会合になってしまいます。
アイディアがデザインを合理的にするのです。
アイディアを出せるかは、経験や学びも大切ですが、一番は自発的な【想像力の根っこ】を刺激する養分である【問題意識・なぜ?どうして?】の柔軟性が必要です。アイディアこそクリエイティヴィティの源ではないでしょうか。
アイディアは、現在、非常識でも未来に常識になる必然を感じさせます。
TEDの著名な多くのスピーカーのプレゼン表情からそれが学び取れました。

【iTED】が日本のスタンダードになるかもしれません。
冒頭に記したように2006年ネット公開以来、世界的に一般人が観るようになりTEDは成功しました。カギは、プレゼンを観る多くの人々が賛同するか、です。
インターネットでの環境は整い、スピーカーの夢を共通言語化するヴィジュアルが言語の壁を越え世界中の人が観て理解できるデザインとして活かされます。
前述のクラウド・ソーシングも良い例です。アイディアをもつ人、それを活かそうとする人、実現に協力してくれる人は、今やインターネットを通じて世界規模で募れ、つながりを深められる時代です。チャンスの幅が広がりました。
日本は、TEDのプレゼンから、インターネットの頭文字iを頭に置いたiTEDとして推し進め、現実に具現化すべき時に来ていると感じます。












2012年8月6日NHKE放送より、「スーパープレゼンテーション 月曜Eテレ夜11時 お楽しいに!」で終わる

 

 

2013年8月26日NHKE放送、『スーパープレゼンテーションSP』「伊藤穣一x坂本龍一 未来を語る」より


 

 

 





2012年10月3日NHKG放送、『クローズアップ現代』
-混とん-に飛び込め!
MITメディアラボ所長 伊藤穣一(NO.3256)より
(コメント順番一部入れ替えました)