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増子瑞穂さんの「キャスター・マッシー通信」連載 - 165(03/09/2017)

「深海2017」

image●オンデンザメ、推定100歳ですがまだ子どもだとか

 東京上野・国立科学博物館で開催されている特別展「深海2017」に行ってきました。2013年に開催された展覧会「深海」から4年。前回の展覧会ではダイオウイカが大きく取り上げられました。今回の深海2017、 会場入り口を見上げると「もっと深く。」の文字が。前回よりさらに深いところへ連れていってくれるようです。

会場入るとまもなく、数々の標本とともに光る生き物の姿が目に飛び込んできます。4Kカメラで撮影されたなんとも鮮やかな発光生物たちです。ホタルイカ、クロカムリクラゲ、デメニギス。少し不気味で、でもどこか愛くるしい発光生物の映像に取り囲まれます。子ども達は映像に見入っていました。映像は撮影禁止、会場でご覧ください。

8月下旬、大きなニュースが発表されました。マリアナ海溝の水深8178メートルの海底で魚が確認されたというニュースです。これまでよりも26メートル深いところでの魚の発見、世界最深記録を更新です。魚はマリアナスネイルフィッシュと呼ばれていて、シンカイクサウオの仲間と考えられているそう。この世界最深記録をとらえたのが会場に展示されている「フルデプスミニランダー」です。ランダーとは投げ込み式のロボット。重りをつけたランダーだけで海底を目指します。撮影を終えたらランダー自ら重りを切り離し、浮力であがってきます。このフルデプスミニランダーは4Kカメラを搭載。カメラ、ライト、浮力材など最新技術を凝縮させたいわば機能美です。ところどころ手作り感いっ ぱいのアナログな雰囲気も漂わせています。そして思いのほか小さい。これが水深8000メートル以上を旅して、撮影して、また戻ってくるとは驚きです。会場で細部にいたるまでじっくり見てみてください。デザイン好き、メカ好きにはたまりません。

2011年3月11日に発生した東日本大震災。地球深部探査船ちきゅうはこの大地震のメカニズムを解明するため、震源海域に向かいました。(ちきゅうについては過去のマッシー通信をぜひ)。ちきゅうは水深およそ7000メートルの海底からさらに850メートルにある地震の断層を掘り当てました。会場では世界で初めて本物の地震断層が展示されています。断層そのものが展示されているのはもちろん素晴らしいのですが、そこにいたるまでの苦難が、実際に掘削で使われたドリルやパイプ、温度計とともに展示されています。失敗を重ねた掘削作業、固い断層で刃がかけてしまったドリル、あれだけの災害に対する技術者や研究者の思いや苦労を重ねた月日が伝わってきます。地震の多い日本、 これからの減災に繋がっていくのですね。

「深海2017」。海が好き、魚が好き、貝が好き、生き物が好き、石が好き、船が好き、技術が好き、様々な好きに答えてくれる展覧会だと感じました。そしてこれまで知らなかった「好き」に出会える展覧会です。

※土日祝日はとても混んでいるようです。そして会場のチケット売り場も混雑します。チケットを持っているかいないかで入場までの時間が数十分変わってくることも。チケットはあらかじめ用意していくのをオススメします。JR上野駅、公園口改札内近くのチケット売り場で手に入りますので参考までに。深海2017は10月1日までの開催です。

2017年9月3日
増子瑞穂
https://twitter.com/massykachan

参考コラム
「地球を掘る船、ちきゅう」
http://www.nudn.net/maccy/144.html

よろしかったら予習をかねて番組もご覧ください。
特別展「深海2017〜最深研究でせまる生命と地球〜」を巡ろう〜解説生放送
http://live.nicovideo.jp/watch/lv305053807


 






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●発光生物の4K映像に見入る子ども達

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●フルデプスミニランダー

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●ところどころアナログ

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●手作り感もいっぱい

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●重りを切り離す構造にワクワク

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●海底下深く掘り、刃がかけたドリル