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コラム「創造力の根っこ」VoL.103(02/11/2017)

EVシフトはコラプスでリブート(Reboot再起動)                                     鈴木淳平

デジタルネイティヴ(digital native)世代がリードするEV時代がやってくる
米国IT産業を牽引するミレニアル世代に負けていないデジタルネイティヴ世代
日本の悪しき企業風土を打ち破り期日を決める有言実行に期待が集まります
デジタルネイティヴ世代は1980年以降生まれのAIなどの有望な担い手
年初に米国で自動車はハイテク機器と
トランプ大統領の就任式を前に米国内で恩恵を受けるのはハイテク関連のIT業界で自動車は、ただの乗り物ではなくハイテク機器になるという構想で運転支援システムなどで半導体の搭載量が急増し、10年単位で見れば自動運転車のグーグルやアマゾンの音声認識システム「アレクサ」等に期待が集まるとの見方が示されました。(NEWSモーニングサテライト、テレビ東京1月18日放送)
EVシフトと日本
2016年、世界の電氣自動車(Electric Vehicle)は46万台余り販売され5年前の10倍以上に増加、EV(電氣自動車)シフトが世界で急速に進行中です。
イギリスとフランスの政府は今年7月にガソリン車の将来的な販売の禁止を打ち出し、ドイツのフォルクスワーゲンは今後10年間で30車種以上のEVを投入予定、スウェーデンのボルボ社は2019年以降は全車種を電動化すると発表した。
日本市場は、EVよりもハイブリッド車に人氣が集まる中、トヨタとホンダは来年以降、中国でEVの販売を始め、日産自動車は2020年度までにEVを国内販売全体の10%目標としています。(NHK7、9月6日放送)
日本もEVシフトへ
今月ドイツのフランクフルトで始まったモーターショーでヨーロッパの主要メーカーが相次いでEVの生産を大幅に増やす方針から自動車メーカーのEVシフトが鮮明になりました。東京モーターショーではEVの強化に踏み切ったヨーロッパ勢に対し日本メーカーがどんな戦略を打ち出すかが注目です。(東京モーターショーは10月27日〜11月5日開催、NHK7、10月22日放送)
期限を切る世界に遅れる日本のEVシフト戦略
中国、インド、イギリス、フランスなどがEV宣言し、予想では2020年に累計2000万台販売との見かたもあり特徴は各国が期限を切っているということです。
イギリスやフランスなど2040年までにガソリンとディーゼル車の生産・販売を禁止すると政府発表がありドイツではフォルックスワーゲン、BMWが2025年時点で新車販売最大25%をEVにするとし、トヨタは2020年までにEV量産か体制構築としていて世界との比較では、日本はかなり遅れています。
〔何かをしない〕という理由を付けるのがうまい日本人
EVで使う電氣はどうする、リチウム電池をそんな造れない、下請けの雇用問題は、産業界は温度差を感じててEVシフトで造り方が変わり影響はかなり大きい。
日本は自動車の国であり自動車製造業の出荷額は主要製造業の約2割、自動車の輸出額では全体の2割、関連産業就業人口は全体の約1割で約550万人が関わっている。企業収益に比べて設備投資をせず日本企業全体の内部留保は400兆円を超え、〔何かをしない〕という理由を付けるのが日本人はうまい。世界的なEVシフトを前向きに期限を区切ってやると政府として強く打ち出せばアグレッシヴに動く可能性は高い、とコメンテーター発言。(NEWSモーニングサテライト、テレビ東京10月4日放送)
日産自動車、「アレクサ」で制御
日産自動車は4日、アマゾンが開発するAI「アレクサ」を使った機能を今月後半から一部の車両で使用を可能にし、「アレクサ」を搭載する音声認識スピーカー、アマゾンエコーに話しかけるだけでドアのロックやエンジン、エアコンの操作ができ、EV「リーフ」の充電の管理も可能になると発表した。(NEWSモーニングサテライト、テレビ東京10月6日)
第45回東京モーターショー・プレスデー
東京モーターショーは約150社が出展、ハイブリット車が主力のトヨタ自動車もEVコンセプトカーを発表、ホンダは小型EVを2020年に初めて国内発売予定とし、スズキやダイハツ、三菱自動車などもコンセプトカーを発表、日本勢のEVシフトが鮮明になりました。EVシフトをリードする日産自動車も最新のクルマを発表した。自動運転やAIの技術にも注目が集まり、フォルックスワーゲンはドライバーの性格や過去の運転履歴などから、EVが様々なサポートをし自分の好きな場所に連れてってくれるなどEVシフトによる大きな変化を感じさせる自動車ショ―です。(NHK7、10月25日放送)
学生たちが2050年に実用化予定の完全自動運転タクシーCOLLAPSEを開発
世界の大手メーカーがひしめく東京モーターショーで、小型EVの常識を壊したいという思いでコラプス(COLLAPSE)と名付け、コンセプトは2050年の車社会を想像し今ある技術を詰め込み、タクシー運転手の考え方を車自身がもち利用者を探しながら走る自動運転機能を搭載し会話もできるとしています。愛知県の学生5人が設計から組み立てまですべて手造りし報道陣に囲まれ話題です。
今車を造っている大人に見てほしい
運転をゲーム用のコントローラーで制御しやすくし、ボディは軽くて丈夫な炭素繊維強化プラスチックで重さは約150Kgと軽自動車の5分の1程度まで軽量化、EVの課題である航続距離を延ばす狙いと駐車スペースを縮小する折り畳み式の試作車を発表したデジタルネイティヴ世代の快挙は大人に負けていません。
試作代は約30万円、これまで20社以上から200万円の支援を受けた5人はスーツ姿で信用金庫に集まった経営者にコラプス造りへの支援を求め、30万台の「コラプス」製造に90億円必要で10年有れば車体代を含め確実に元が取れるとアピール。高専生が物を造るだけだったらまだしも資金集めまでする、すごい話です。(ワールドビジネスサテライト、テレビ東京 10月26日放送)
ヤラナイ理由を見つけるより内部留保から期限を切り資金を投資し世界に通用する商品をデジタルネイティヴ世代に託し、期待が集まります。誰でも造れるEVを象徴する電氣の時代はニコラ・テスラの遺産ですが市場投入のスピードが勝負の決め手です。EVに限らずデジタルネイティヴ世代が日本を牽引する時代は間近で、デジタルネイティヴ世代と共にリブートが求められ日本の明るい好循環の未来が訪れる可能性をデジタルネイティヴ世代が魅せています。