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image●略歴
一橋大学社会学部および同大学大学院修士課程を修了。
米国オハイオ州立大学大学院博士課程修了(Ph.D, 社会学博士)。
学部卒業と同時にGKインダストリアルデザイン研究所に入所。
以来30余年、コトバを通じてのデザイン研究および制作、デザイン振興活動に従事。

●所属団体
日本インダストリアルデザイナー協会(JIDA)理事、国際インダストリアルデザイン団体協議会(ICSID)理事を歴任。
現在日本デザイン学会理事、ICSIDリージョナルアドバイザー


●専攻=デザイン社会学、デザイン史およびデザイン理論、
 /非常勤講師、PHD
●担当=学部/デザイン情報論、デザイン史
    大学院/造形芸術研究、原典購読

主な仕事
 ●著書
「オフィスの社会学」、「都市の道具」、「オフィス環境の変貌」
「現代デザインを考える」(共著)、「オフィスアメニティー」(共著)
「ロスアンゼルスの日本料理店」(共著)「都市とデザイン」(編著)等

 ●翻訳
「機械化の文化史」(ギーディオン)、
「デザイン宣言」(ティーグ)、
「住環境計画」(マイケルソン)、
「デザイン史とは何か」(ウォーカー)
「インダストリアルデザインの歴史」(ヘスケット)

 ●主な論文、評論
「機械時代におけるデザインの諸問題」(学士論文)、
「アメリカにおけるインダストリアルデザインの生成と展開」(修士論文)、
「集合住宅における空間システムと
 社会システムの相互作用に関する研究」(博士論文)、
「戦後インダストリアルデザイン小史」
「行動科学とデザインの架橋」、
「マン・マシン・スペースへのアプローチ」
「自治体における平和祈念碑の建造ーその実際と評価」、
「快適さの創造とデザインの方法」、
「デザインにおけるアノニマスの条件」、
「カプセルの幻想」、
「モノの集積としての若者の<個室>」、
「今、なぜ都市美なのか」   

 ●調査研究
「戦後クルマ像の変遷とその将来研究」、
「墨田区デザイン振興の具体的方策の研究」
「ソフトウェア生産環境に関する調査研究」、
「創造性を高めるワークスタイルに関する研究」

●主な研究上の関心事
<デザイン思考の座標軸>
デザイン史とデザイン理論を大きな研究領域とするが、私において両者はインタラクティヴな関係にある。
そのインタラクションから導きだされる理論は純理論風のものではなく、大きくデザイン創作を導きうる、実践的な役割を担うのでなくてはならない。
自分なりの「デザイン思考の座標軸」を通じてデザイン世界を眺めやる一方で、その座標軸自体も現実の変化を受けて絶えず変更をせまられる。近代デザインという一つのシステム、あるいは、規範(ノーム)が
かってのような力を持ちえなくなった今、座標軸に絶えざる改良を加えながらみずからの創作あるいは研究を導くという実践が今後ますます重きをなしてゆくだろう。
なお、理論と歴史、研究と実践の両者を見事に統合した著作として、近代デザイン・建築運動の理論的代弁者S.ギーディオンの「機械化の文化史」がある。熟読を勧めたい。

<境界領域と境界>
今日のように既存の枠組みや体制が大きく崩れつつあるとき、境界領域に着目するというのは問題発見の方法の一つとして有効である。いわゆる学際、業際的思考を習慣づける事に意味がでてくる。
インダストリアルとグラフィックとかけて何と解く? 
スペースとグラフィックとかけては? 
同様な境界的思考は物理的環境についても当てはまる。かっては家具と建物の中間に「還具」のレベルを想定することにより、さまざまなテーマ設定が可能となった。建物と都市の中間には「人工地盤」が考えられた。歩道と車道、自動販売機と駅舎スペースのあいだには、現在、どのような問題が考えられるだろうか。
<境界に真理あり>は、今日、ますます真実味を加えつつある。そのような意識の背景には<場>に対する関心がある。<場>として境界を捉えなおすことはそこを人の行動ないし生活のための一つのまとまりある空間として意識することである。モノというハードを超えて、空間を、場を意識するとき、統合への道が開かれる。否、空間より人の意識あるいは行動に着目することこそ、バラバラな解決になりがちなデザインの営みを統一へ導く視座である。

<近代化が置き去りにしたもの>
縦割的思考の弊害を乗り越えて問題解決を計らんとするアプローチの背景には、近代に対する総合的な批判がある。近代化の負の遺産を系統的に丹念に逐一明るみにすることからスリリングなデザイン課題が発見される。近代デザインの問題の切り取り法に埋没、拘泥していると、クリエイティビティー視界は否応無く狭められてしまう。
私が編集と翻訳の労をとった「デザインの未来像」、「デザイン史とは何か」は近代を超えるデザイン思考にさまざまなヒントを提供して呉れていると思う。

<ストリート、学校、病院>
近代化によって失われたストリートライフ、効率主義的非創造的なワークプレイス(オフィス)の存在は長らく私の関心事であり研究課題あり続けたが、今これに学校と病院を加えることが出来たらと思う。人間とその生活を中心にすえそこから問題を発見するという視点はこのテーマにもひきつがれ、かつ、行動科学的(心理学、社会学的)研究法が採られることになるだろうが、研究項目はいまなお霧の中である。
フィールドワーク等を通じて少しずつでも煮つめて行きたいと思う。

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