横浜都筑区の某マンションで、「環境共生型立体駐車場」が完成しました。
90年代初めに建設されたこのマンションは、駐車場率が80%だったため、抽選漏れ住民の「外部駐車場利用による不満(遠い)」がありました。また、当選者による機械式駐車場利用は、「車の車種限定」「操作が不便!」などの不満意見が多くだされていました。特に、抽選漏れの若いママさん達が、雨の日、小さいお子さんと重い買い物袋をもって、傘をさしながら遠い外部駐車場からの移動は、とても大変だったようです。駐車場問題は、入居初年度から「大型設備課題」となっていましたが、“難易度が高いテーマ”なので、理事会での本格的な取り組みは困難だったようでした。

それから12年、機械式駐車設備の更新時期が近づきました、「さあ、どうする!」
・・・・・決断を迫られることとなりましたが、3年前の和田理事会は、ありがたいことに「やりましょう!」との姿勢を示したため、本格的に前進することになりました。
理事会の呼びかけで、理事+ボランティア委員からなる「駐車場委員会」が設置され、活動が始まりました。話し合いの結果、4大目標が決まりました
「1:駐車場率100%+αの達成(全住民の悲願)」
「2:自走式立体駐車場の採用(使い勝手・コスト面から機械式の廃止)」
「3:鉄骨構造式の採用(コスト・品質メリット大)」
「4:環境に十分な配慮(植樹など)」でした。結果、この4大目標は全て達成されました。

この成功要因は、「3年間にわたる理事会(和田理事会・岩下理事会・青山理事会)メンバーの献身的な活動」「駐車場委員会ニュースによる活動情報のOPEN化」「多数の住民の強い支持」にあります。建築申請中時は、アネハ偽装建築事件の影響で、申請作業がとても大変な時期でした。管理組合総会では、3/4以上必要な重要議案に、90%の住民が賛成票を投じ、一部の反対意見を退けることができました。私もボランティア委員(山家・山本・古川・岡田)の方々と一緒に活動し、結果として住民の意向にこたえることができ、大変うれしく思っています。住民以外に、「建設担当のJFE工建・建設コンサルタントの共同設計・管理業務のベニーエステート・外部駐車場間移動の朝日タクシー」の方々にも大変お世話になりました。

新駐車場建設で、スペースに余裕が出来たため、新たに「来客専用駐車場」「新自転車/バイク置場」も増設されました。新バイク・自転車置き場は、地味ですが、レイアウトも良く考えられてます。入居時はバイク置き場はなく、自転車も台数オーバーでしたので、長年住民を悩ませてきた“全ての駐車場問題”が大きく前進しました。また、マンション内道路も、使い勝手と安全性を考慮した工夫がされました。
ただ、15年前後の歳月は当初予測と違う傾向がでました。
「1:一部住民が高齢者に。呼び寄せ老人の増加(福祉駐車区画の新設)」
「2:車保有世帯の減少(空き駐車場あり)」
「3:住民の環境認識の高まり(駐車場建設による緑地増加)」
「4:安全意識の高まり(防犯カメラ強化・照明強化など)」

現在の車世帯保有率は、入居時と比較して-3%前後と予測しています(ただし、富裕世帯による2台目増加分が別途あり)。比較統計がやや違いますが、全国車販売統計からみた販売減少率は-20%ですから、減少率は大幅に少なかったことになります。今後は、一部の空き駐車場の有効利用(“Smart活用”)が課題となります。

オープニング式典の代表には、苦労された3代の各理事長に、工事責任者の方が出席されました。
「うるさい住民が多い中、日々現場で苦労された工事責任者にも出席を!」は、委員会のグッドアイデアだと思います。

新駐車場の周囲は低木で囲われていますが、10年たては、手前の高木ようになり、駐車場の壁面の多くは隠れ、メ緑の壁面モに変化するでしょう。
その時に「環境共生型駐車場」の真価が発揮されます。駐車場を増設して緑が増えた!

追記:

直接型工業デザイン活動には参考にならないかもしれませんが、これからの車社会・地域社会から見た交通!などの視点では、間接的ながら参考になると思います・・・・。

★加藤均さんからのレポートはそのお名前の略称からカトキン・レポートとさせて頂きます
(編集者:談)。

Pocket
LINEで送る