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『ショーカー”GTR-Concept ”について』 山根 真(s62年度卒)日産自動車(株)/Nissan Design Europe UK Studio 昨年(2001年)から日産デザイン ヨーロッパのU.K.スタジオで、スタジオ チーフ デザイナーをしている山根 真と申します。 後輩の皆さんのご参考になるか分かりませんが、この機会にショーカー”GTR-Concept ”についてお話ししたいと思います。この車は昨年東京モーターショーにおいてゴーン社長から、「GTRはグローバルカーとして生き続け、究極のドライビングプレジャーを提供していきます。」とのメッセージと共に発表されたものです。 私はこのショーカーと共に、イギリスに移って来ました。フルサイズモデルをイギリスで作ることになっていたからです。それはイギリス人のクラフトマンシップに触れる貴重な経験になりました。これはワンオフのショーカーなので、当然全てが手作りです。例えばインテリアのセンター部を構成する広いアルミ部は板金によるもので、切削では出し得ない暖かい味わいを持っています。 デザインのスタートを振り返って見ると、最も難しく、またエキサイティングな課題は、いかに純粋に「GTRとは何か」を表現するかでした。つまり、過去のGTRのデザインは全てスカイラインクーペが基本に存在し、それにダイナミックに幅を増したフェンダーやリアスポイラーなどの空力パーツを付加することで生み出されて来ました。しかし、このショーカーはベース車を持ちません。願ってもないデザインフリーダムの中で、過去のGTRヘリテイジを継承しながら、いかに新世代のGTRを表現するかが課題でした。 そこでヘリテイジを表現するために意識したのは、これが「男の車である」ということ。機能を追求した無駄の無いモンスターマシンでありながら、存在感をアピールするための華がなくてはいけません。しかしエレガントはこの車に相応しいキーワードではありませんでした。空力を意識した上で、立体の新しいテーマを大胆かつ明解に伝えることに重点を置きました。 また新世代のGTRを表現するために強調したのは「インテグレート感」です。このショーカーは初めからGTRとして産まれて来るのですから、空力やそれを助けるスポイラーもすでに素性として備わっていなければなりません。ダウンフォースをトランクの上に置く大きなリアスポイラーで得るのではなく、リア下部のデフューザーで得ようとしたのも、必要に応じてのみ出るトランク部の可動リアスポイラーも、そのためのアイデアです。 発表後、このショーカーについてイギリスの車雑誌のジャーナリストからインタビューを受けました。イギリスではR34GTRが約1千万円で売られています。しかし熱心なファンは多く、私もしばしば町で見かけます。 このショーカーは今までに東京モーターショー、デトロイトショー、ジュネーヴショーと日米欧を結んで渡り歩きました。もし、何かの雑誌でまたこの車を目にすることがありましたら、ぜひこの話しを思い出してみて下さい。見え方がちょっと変わるかもしれません。 皆さんのご活躍を心よりお祈り申し上げます。 山根 真 Studio Chief Designer Nissan Technical Centre Europe Limited, Phone : +44 [0]1234 755 370 尚、”GTR-Concept ”の画像は下記のホームページで見る事が可能です。(編集者) |