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『イタリアデザイン生活日記』 佐藤紳二<セイコーミラノ駐在員事務所>(s57年度卒) ミラノに来てから1年(延2年)を過ぎ、少しずつイタリアの文化について感じることができるようになってきました。 イタリアは基本的にとても保守的な国で、新しい文化を取り入れることに抵抗があると思われます。もともと都市国家ですから、それぞれの地域意識が強く、自分の生まれた地域にプライドを持っています。そして、それぞれの地域が自分の街を美しく保とうとしています。だからこそ美しい町がイタリアに多く存在しているのでしょう。実際、イタリアはヨーロッパの中でも多くの観光客が訪れる国ですから、この理由も納得できます。 自分たちの文化に誇りを持っているということでしょうか。その結果、ほかの文化をそう簡単に自分の文化に取り入れないということにもなるかもしれません。しかしそれが、イタリアと言う国、地域のアイデンティティーとして括弧たるものにしているのかもしれません。たとえば、アメリカの文化の1つであるフランチャイズ的な店は限りなく少ないし、料理にしても、イタリア料理は実に美味しく満足できますが、イタリアでフランス料理やインド料理を食べようと思っても一般的には食べることはできません。カレーなんかは食べたことある人はほとんどいないでしょう。彼らは、自分の国、地域、そして自分の仕事に大変なプライドを持っているように思います。 私のオフィスはミラノ中心街の老舗の並ぶ通りに面していますが、毎日そのブティックの並ぶ通りを歩いています。ミラノはイタリアの中でもファッション関連で高い評価を得ています。今まで、色々な国のウインドウーショッピングをしましたが、ミラノのウインドーは、素晴らしいです。1つひとつのウインドーの飾りつけがそれぞれ作品に見えてきます。見方によっては、通りそのものが美術館のようです。 イタリアの場合、先ほども言いましたが、フランチャイズはありませんので、ほとんどがインデペンデント(小売店)で成り立っています。店のオーナーはその自分の持っているウインドーを最高に美しく仕上げています。各々のオーナーはアーティストになりきっているのでしょう。 いいことばっかり、言ってしまいましたが、うらはらに、とんでもない国であると感じることもあります。こんな国が先進7カ国に入っていて良いのかと思うことすらあります。 |